羊蹄山登山(その2)
8合目を過ぎると、いわゆる高山植物達(山地帯上部から亜高山帯に生育するもの含めます)が出現します。パシャパシャ撮りながらも、歩みを止めてはいけません。
9合目に到着。これより高標高域は本格的なお花畑が出現します。
9合目付近から見えた窪地に残雪が残っていました。この日のルートで雪が残っていたのはここだけでした。残雪周辺には雪田植生が分布しているようです。近づいてみたいけど、ちょっと無理かなー。
9合目から火口のお釜にむかう稜線。ハイマツ群落と亜高山性の草本群落、砂礫地がモザイク状に分布しています。
砂礫地には見事なタルマイソウの群落!タルマイソウは草が密生した場所には生えておらず、砂礫が動きやすい不安定な立地に特徴的に出現するようでした。厳しい環境ですが、競争相手が少ないことは利点ですね。
先ほどの残雪の上部になるのでしょうか。雪田植生があらわれました。羊蹄山は円錐形の山体であるため、雪がたまりやすい緩斜面が少なく、雪田植生も少ない印象を受けました。今回の登山道沿いでは、これが最も大きな唯一の雪田植生でした。
登山道の花に目をうばわれているうちに、火口のおかまに到着しました。今はあまり活動していないようで、火口の内側に植物が定着してきています。おかまをぐるっとまわって山頂を目指します。
おかまの北西側半分は砂礫とあまり大きくない岩が主体で比較的なだらかな歩きやすい稜線が続きます。
一方、おかまの南東側半分はごつごつした岩の多い岩山です。正面に見えるのが山頂です。山頂からは360度のパノラマが見られるのですが、この日は下に雲がかかり、おかまの底ぐらいしか見ることができませんでした。
噴火口の東西でこんなに雰囲気が違うのも面白いなーと感じました。そして、このような環境の違いによって異なる群落が出現するのも面白いところです。
おかま周辺で見た植物を紹介します。いずれも今回初めて見た植物です。
メアカンキンバイ。タルマイソウと同じような砂礫地に生育する北海道固有の植物。
リンネソウ。二名法を提唱した植物学者の大家、リンネさんに由来する由緒正しい植物。
ハイオトギリ。分類の難しい仲間ですが、多分これでしょう。
きれいな花を見ていると時間が経つのを忘れてしまいます。もう少しゆっくりしたいところでしたが、霧が立ち込め、遠くで雷鳴が聞こえてきました・・・。こんなところで雷と遭遇したらたまったもんじゃありません。名残惜しさもすっかり消え、脱兎のごとく下山しました。おかげで、ひざが笑ってしまい、翌日はひどい筋肉痛に悩まされました。