平地の夏の花-72.ヤブガラシ-
とても強そうな名前のヤブガラシです。
神奈川県平塚市(7月7日)にて。以下、場所・撮影日同じです。
もう少し近づくとこんな感じです。
つる植物で、藪を枯らすほどの勢いで成長します。河川敷などでは、ヤブガラシにからまれてひん死の低木を見ることもまれではありません。これはネーミングが非常にあっています。
花の数は多いですが、1個1個が小さく、全体的に目立ちません。
ヤブガラシは近所に生育する植物にとっては迷惑な隣人ですが、昆虫には人気があるみたいです。それほど目立つ花をつけるわけではないですが、アゲハ類やハチ類がよく花に来ています。凶暴なスズメバチなんかも来ており、見かけよりかは多くの蜜を出しているのかもしれません。
ヤブガラシはブドウ科ヤブガラシ属の多年生(たねんせい:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)のつる植物で、北海道西南部~琉球に分布します。ブドウ科ですが、ブドウのような立派な実はつけず、実を見た記憶があまり残っていません(見ていても印象に残っていないのかも)。
ヤブガラシの特徴は次の3点です。似た植物も少ないので、葉だけでも覚えられると思います。
①生え方:林縁や草地で他の植物等にからみつきます。
②葉:葉は互生し、鳥足状複葉(とりあしじょうふくよう:写真のように3出した側方の柄がさらに分岐する5小葉からなる葉)。殆ど無毛。
③花:小さい花を多数つけ、一部がピンク色やオレンジ色。ピンク色やオレンジ色の部分は植物用語で花盤(かばん:蜜を分泌する器官)といいます。