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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

平地の夏の花-73.コバノカモメヅル-

つる植物を続けます。星型の花がかわいいコバノカモメヅルです。

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長さ1.3mくらいのつる植物。三重県鈴鹿市(7月31日)にて。以下、産地、撮影日同じ。

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もう少し近づくとこんな感じ。

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この星の形(ヒトデにも見える)といい、色といい格好いいですね。個々の花は大きくないのですが、まとまって咲くと、星座みたいになって面白いです。

「カモメ」という鳥の名前がついていますが、どのあたりがカモメなのかはよくわかりません。そもそも鳥の名前ではないのかもしれません。このテーマで紹介したつる植物のなかでは、やや珍しく、平野部や低山の山麓の湿地周辺に生育します。コバノカモメヅルが生育している湿地は、昔ながらのわりとよい湿地だと思います。
コバノカモメヅルはガガイモ科カモメヅル属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、本州(関東・中部・近畿地方)に分布します。この仲間は種類が多く、花がつかないと同定が難しいものが多いです。ただ、地域ごとに分布する種がある程度決まっているので、分布も考慮して同定するとよいと思います。
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特徴は次の3点です。
①生え方:他の植物に巻きついて生育するつる植物です。ただ、それほどつるは長くならず、つるの長さは2m未満です。ただ、分枝は多く、何本ものつるが絡み合うことが多いです。
②葉:葉は長楕円形で長さ4-10cmくらい、全縁(ぜんえん:葉の縁にギザギザがない)、微毛があり、対生します。葉の形は若干変化がありますが、葉の基部は顕著なハート型になりません。
③花:花はうでの長い星型(ヒトデ型)。色は大人っぽい暗い紫色。
 

似たような種で見る機会があるものとしては、タチカモメヅル、アオカモメヅルなどがあります。さらに、コバノカモメヅルは、シロバナカモメヅル、アズマカモメヅル、ジョウシュウカモメヅルといった変種があります。シロバナカモメヅルは花がクリーム色で、より大型で東北地方に多かった印象があります。アズマカモメヅルは花の色がクリーム色以外は、コバノカモメヅルと同じです。これ以外は私もあまり見たことがないので、紹介する機会があれば違いを述べたいと思います。