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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

丹沢で出会った植物-149.ツルシロカネソウ-

丹沢では登山道の足元にも小型の花がたくさん咲いています。中には、シカに食べられてしまって小さくなってしまったものもありますが、このツルシロカネソウはもともと小型の植物です。

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神奈川県清川村にて(7月14日)。群生するので探すのはそれほど難しくありません。

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小さいですがとても清楚な花です。初めて出会った時はテンションあがりましたね~。

ルシロカネソウはキンポウゲ科シロカネソウ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、本州の太平洋側(神奈川県~奈良県)に生育します。わりと広く分布しますが、私は丹沢でしかまだ見たことがありません。シロカネソウ属の植物というと、私は春植物をイメージします。実際、図鑑を見ても、シロカネソウ属の植物は35月あたりに開花する植物が多いです。丹沢に最初に登った夏、足元にこの花を見つけた時は非常に驚きました。なんで、こんな夏にシロカネソウ属の植物が?最初は狂い咲きした個体かと思いましたが、山頂に近いブナ林あたりまで行くと、普通にちらほらと咲いています。山小屋でツルシロカネソウであることを確認して、図鑑の記載文を見たら花の時期が58月とありました。シロカネソウ属の仲間の中では一番開花期間が長く、夏まで普通に咲くようでした。丹沢山の山頂に近い樹林の中の登山道ではわりと普通に見ることができると思います。小さな花なので、足元に注意して探してみて下さい。

ツルシロカネソウの特徴は次の4点です。
①生育環境:ブナ林が成立するような標高1000m前後の樹林内に生育。
②生え方:匍匐根茎(ほふくこんけい:地中を横に這う地下茎)を持つため、群生します。
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③葉:鳥足状複葉(とりあしじょうふくよう:写真のように3出した側方の柄がさらに分岐する57小葉からなる葉)で、葉脈が表面でくぼむため、葉がしわしわな印象を受けます。
④花:直径は10-15mm。花びらのように見えるのは萼で、萼は白色、5枚です。

シロカネソウ属はみな似たような花をつけ分類が難しいグループです。しかし、花が夏季に咲いているという時点で、ツルシロカネソウに似た植物はありません(春先だと迷いますが)。あと、しわしわの葉も特徴的だと思います。丹沢の夏山登山で、似たような花をみつければ、間違いなくツルシロカネソウです。