北海道宗谷丘陵(その4)-常緑針葉樹林編-
北海道で特徴的な植生の一つに常緑針葉樹林があげられます。
岐阜県や中部山岳では2000m以上の亜高山帯で見られるような植生が、宗谷丘陵では標高150~200m程度で見ることができます。ただ、樹種は本州と異なり、北海道ではトドマツ、エゾマツ、アカエゾマツが主体です。宗谷丘陵ではトドマツ、エゾマツからなる樹林が見られ、アカエゾマツは植林が殆どでした。
林内の様子。グレーの樹皮がトドマツ、茶色のひびのある樹皮がエゾマツ。
林内はすっきりしていて日本庭園のような感じ。緑色の絨毯はサハリンイトスゲ。
こんな樹林が広く存在すれば、丘陵地も歩きやすいのですが、このような樹林は面積的には狭いようです。多くは、エゾマツ、トドマツといった針葉樹とミズナラ、シナノキといった落葉広葉樹が混生する針広混交林か、落葉広葉樹が優占する樹林となります。
このような植生の違いが生じる原因はよくわかりませんが、一つには人々による樹林の利用頻度の違いが関係しているのかもしれません。
常緑針葉樹林で見られた植物を紹介します。
トドマツ。本州のシラビソ、モミ等と同じ仲間です。樹皮は灰色でつるっとします。
エゾマツ。本州のトウヒと同じ仲間です。トドマツよりも枝が垂れる感じです。
アカエゾマツ。エゾマツと似ていますが、枝は赤味が強く毛があります。