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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

北海道宗谷丘陵(その3)-渓流-

宗谷丘陵を流れる河川は、樹林内を流れるか、チシマザサ草地の中を流れるかのいずれかとなります。
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河畔林を流れる渓流。イワナやヤマメがいます。

河川沿いの樹林はヤマハンノキやオノエヤナギからなる河畔林が多く、林床はチシマザサやクマイザサが優占することが多いです。尾根も谷もササばかりで、宗谷丘陵はササの楽園です・・・。
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ササ藪を流れる渓流。カーブの先から何か出てきそう・・・

そのため河川内を歩いていてもかなり見通しが悪いです。カーブした流路を曲がったらクマが出てくるのでは・・・とビクビクものです。前方でガサガサなんて音がしたときには、超ビビリます(たいていはシカでした)。
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ササの多い渓流ですが、ところどころにミズバショウ等が生育する湿地や、ササ以外の大型草本が優占する場所がでてきます。そんな場所は他の植物も多く出てくるので恐怖心よりも期待感の方が勝ります。
ここでは恐怖心と戦いながら見てきた谷沿いの植物を紹介したいと思います。谷沿いはアキタブキ、エゾイラクサオニシモツケヨブスマソウ、オオハナウド、オオイタドリ等、ササに負けないくらい大型になる草本類が多く見られます。

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アキタブキ。群落の中にコロボックルが隠れていても不思議ではありません。

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写真の葉の直径は1m。人の傘としても使えそうです。

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オニシモツケ。群生するので見ごたえのある花です。

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エゾイラクサ。茎に細い棘があり、触れるとヒリヒリします。この藪もやっかいです。

ミズバショウの湿地や大型草本の下には小型の草本が生育しています。

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エゾワサビ。ミズバショウが生えるような湿地に多く見られます。

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エゾノカワヂシャ。これも湿地に生育します。花はカワヂシャよりも鮮やかな青色です。

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ミヤマタニタデ。谷沿いの湿った斜面に群生します。

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シテンクモキリ。個人的には今回一番の発見です。クモキリソウとは舌のような花弁の中央に紫色の点があることで区別できます。クモキリソウよりも冷涼な地方に分布すると聞いていたので、なるほどといった感じです。

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渓流のやぶこぎをしていると、気になるのがダニです。一日に何回かくっついていないかチェックします。たいてい、1,2匹ついていて、その都度、削除します。結構気をつけていたのですが、この現場で結局食いつかれました・・・。ササ藪をこぐ時は、皆様、お気をつけ下さい。