身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

白樺山(北海道蘭越町・共和町)

去年訪れたニセコアンヌプリに再び訪れる機会がありました。ニセコアンヌプリの山塊は標高が約1300m以下と高くないですが、思ったより深いですね。山塊は海に面していないニセコ町から日本海に接するところまでつながり、稜線伝いに歩くと25km以上あるようです!今回はニセコアンヌプリの山塊のうちの白樺山に登ってきました。

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新見峠から見た白樺山。頂上が少し見えます。

非常にマイナーな山で、これといった話題はないという前情報でしたが、登ってみればそれなりに楽しい山でした。登山者は殆どおらず(1組いらっしゃいました)、眺望もよく、往復で2時間もあれば登れるというお手軽さが魅力です。

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登山道沿いのダケカンバ群落。樹高は5m程度で、殆ど這ってます。

740m付近の新見峠付近に駐車場があり、そこから白樺山山頂(932m)を目指しました。駐車場付近はダケカンバ群落が広がり、登山道沿いはグニャグニャと曲がったダケカンバが目につきます。このあたりは雪が多いため、雪に押しつぶされてこんな形状になっているんでしょうね。

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山頂までもう少し。殆どササ原ですが、濃い緑色はハイマツ群落。

100mも登れば、急に視界が開けます。チシマザサ群落と小規模なハイマツ群落が広がり、一見すると高山帯のような雰囲気ですが、どうもそうではなさそうです。北側の斜面や谷沿いの斜面の一部には背の低いダケカンバ群落が成立し、白樺山よりも高い山の上部にもダケカンバ群落が見られます。風や積雪、地形的な要因でチシマザサ群落やハイマツ群落が分布しているような雰囲気です。

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山頂付近のハイマツ群落。右下付近にノリウツギの花が見えます。

山頂付近が高山帯でないことは生えている植物を見ても明らかです。山頂付近のハイマツ林を見ても、標高が低いためオオバスノキ、ナナカマド、ノリウツギといったブナ帯に出現する種も見られ、「何かピンクの花が咲いている!」と思ったらエゾカワラナデシコ(北海道の低地にもある)だったり。羊蹄山で見たような高山植物達には殆どお目にかかれませんでした。
それでも高い山に行かないと見られないような植物や、おーこれは初めて見たといった植物にも1時間ちょいで出会え、それなりに興奮の時間を過ごせました。

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ミヤマアズマギク。これは最高でしたね。羊蹄山でも見なかったので超ラッキー。

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ハイオトギリ(たぶん)。これは羊蹄山との共通種ですね。ちょうど花盛りでした。

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ミヤマアキノキリンソウ。本州では高山に行かないと出会えないですね~。

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シラネニンジン。これも本州では高山に行かないと出会えないです。

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トウヒレン属の一種。なんだろう初見です。短い茎に厚手の葉を重なり合うようにつけ、ヒマラヤの植物のような風貌です。


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高山っぽい雰囲気の頂上。目国内岳は標高が低いのに残雪があります!

山頂はとても静かで、眺望がよく、最高のランチでした。遠くはややガスって霞んでいましたが、残雪が残る(こんな低い山なのに)目国内岳(めくんないだけ)がきれいに見えました。眼下には宝石のような小さな湿地が見えます。あそこの湿地にはお宝のような植物が生えているのかな~。まあ、行く手段はなさそうですが。

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お宝の湿地?あそこには何が生育しているのか?クマさんがいたり~