北海道宗谷丘陵(その1)
久々の夏の北海道です。今回は日本最北の丘陵地、道北の宗谷丘陵に行ってきました。
最北の丘陵地はとにかく広く、緩やかな起伏が延々と続きます。一番驚きなのは、街並が殆ど見えないことです。関東や愛知周辺の丘陵地は開発し尽くされ、宅地やゴルフ場が多くの面積を占めますが、宗谷丘陵はとにかく様々な緑色でいっぱいです。黒っぽい緑色はエゾマツやトドマツといった針葉樹、木々の鮮やかな緑色はミズナラやシナノキ、少しくすんだ緑色はケヤマハンノキ、遠目でも樹皮が白い木々はダケカンバやシラカンバです。刈られたような雰囲気の場所は牧草地で、それ以外の草地はチシマザサ草地です。
宗谷丘陵の植生の分布は一様ではなく、南北で違いがあります。
南側は樹林が多く残り、大自然といった雰囲気です。ただ、完全に原生の森林ではなく、比較的新しい森林が多いと思われます。何箇所か立派な林に入りましたが、直径1mもある切り株がありました。過去に人々が伐採していた経緯がわかります。原生の自然ではありませんが、自然に成立した樹林が広がっていることから、大自然であることには変わりないですね。
北側は人々によって利用されているエリアで、風力発電、牧草地が広がります。のどかで気持ちよい景観です。多くの方々が、この牧歌的な景観を写真に収めていました。こんな景色を見ていると、どこまでも歩いて行けるような錯覚におちいりますが、実はそう簡単ではありません。というか、牧草地以外は歩くことは不可能に近いのです!
チシマザサ草地は近づくとこんな感じ。稈が密生します。これで高さは1.5m程度。
ザックの高さが50cmくらい。こちらのチシマザサは2mを超えます!!
チシマザサ草地は遠目には低い草地のように見えますが、とんでもありません。チシマザサは1.5-3m程度の高さがあり、根元直径は1cm程度で、硬くしなります。別名ネマガリダケと呼ばれ、筍を食用とします。「たかが、ササじゃん?」と思うかもしれませんが、これが、かきわけても、かきわけても、はねかえされます・・・。皆さんも、是非試してみて下さい。
そんなわけで、実際には自由に歩けません。もっと、みんなで筍を食べないといけませんね。