飯豊連峰縦走(1日目:飯豊山荘→丸森尾根→地神山→門内小屋)
丸森尾根登山口。期待と不安が交錯する(8月25日)。
ブナ林とミヤマナラ低木林(8月25日)
飯豊山荘の周辺はブナの自然林がひろがっています。登り始めの標高700m程度から山々を見ると、モコモコとした立派なブナ林が見えます。部分的に木が生えていないところがありますが、これは伐採されたためではありません。この部分はあまりの急傾斜と、雪が多いため、高木が育つことができず低木林となっています。このような場所ではミヤマナラが優占していました。
すばらしい眺め!(8月25日)
標高1540mを越えると、樹林がとぎれ、急に視界が開けました。遠くに雪渓が見えます。飯豊連峰は豪雪地帯で、雪渓の一部はとけずに残るようです。
こじんまりとした地神山山頂(8月25日)。
←矢印側が東側。稜線。→矢印側が西側。風は←この向きで吹きます(8月25日)。
地神山(標高1849.5m)から南東の稜線を眺めてみました。稜線を境に植生の色合いが異なります。写真の向かって右側が西側、左側が東側の斜面になります。
西側のやや濃い黄緑色はナンゴクミネカエデ、ナナカマド、ミネザクラが優占する落葉広葉樹低木林(ナナカマド-ミネカエデ群落)で、白っぽい緑色はササ草地(チシマザサ群落)です。東側の明るい黄緑色は、ヌマガヤ、イワイチョウ等が優占する雪田植生や、ノガリヤス類、ハクサンボウフウ、イブキゼリ等の高茎草本群落です。
ナナカマド-ミネカエデ群落の低木林。樹高1~1.5m程度です(8月25日)。
東西の斜面で卓越する植生が異なるようです。このような違いが出る要因の一つは冬季の気象が関係するようです。冬季に西側から強い風が吹くため、雪は東側に溜まりやすくなります。一方、雪が少ない分、西側稜線付近は強い風にさらされます。雪が溜まる東側斜面では植物の生育期間が短く(雪に埋もれる期間が長い)なるため、木本が生育しづらいようです。
気象条件でこんなに植生が変わってしまうものなのですね。面白い!
この日は登るので精一杯・・・。植物の写真をとる余裕が全くありませんでした・・・。