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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

青森県で出会った植物-66.ズダヤクシュ-

岐阜県では冷温帯から亜高山帯の高標高で見ることが多いズダヤクシュです。

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青森県横浜町(5月21日)にて。以下、撮影日・撮影場所は同じです。

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この写真を撮影した場所は標高200-300mなので、岐阜県在住の私からすればかなり驚きの低標高です。青森の緯度の高さを感じます。

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ズダヤクシュは写真のような谷沿いや湿った環境に多く生育します。花はつつましく、でしゃばらずに、涼やかに咲きます。谷沿いのシダ類、スゲ類、コケ類と調和し、和の雰囲気が漂います。谷沿いは春という季節柄、緑色がすごくきれいで、何枚か写真を撮ったのですが、写真で切り取ると、なかなかうまく表現できません。プロの写真家はすごいなと、つくづく思います。
ズダヤクシュはユキノシタ科ズダヤクシュ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)です。日本ではこの属にはズダヤクシュ1種しかないので、似た植物はあまりありません。北海道、本州(近畿以東)、四国に分布します。
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ズダヤクシュの特徴は次の3点です。
①花:まばらな試験管ブラシのような雰囲気で、白色の花を総状(そうじょう)に付けます。
②葉:5角形状の葉で、長い柄があり、毛が目立ちます。
③生育環境:冷涼な地域の谷沿い、やや湿った樹林地に生育。樹林内が薄暗くても生育できるようです。

先に似た植物がないと言いましたが、それは花や実がついている場合です。花序がない場合、ズダヤクシュとコチャルメルソウが非常に似ています。夏以降の調査では私もかなり悩みます。ズダヤクシュもコチャルメルソウも群生するので、見て見ぬふりもできないし・・・、間違えると情けないし・・・。しかし、このよく似た2種も、葉だけで識別できる点がありました!識別点については、コチャルメルソウの際に紹介します。