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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

青森県で出会った植物-62.コキンバイ-

樹林の中でひっそりと咲くコキンバイです。

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青森県(5月20日)にて。以下、撮影日同じです。

ヘビイチゴのような花をつけているところから、植物を見慣れた人ならバラ科とすぐわかりますね。ヘビイチゴのような黄色の花をつけるバラ科の仲間は意外と種類が多く、ヘビイチゴ属、キジムシロ属、ダイコンソウ属、そして本種が属するコキンバイ属があげられます。中でもキジムシロ属は種数が多いので、ヘビイチゴに似た黄色の花は最初の頃は苦手でした。
一方、コキンバイ属はコキンバイ1種からなる属で、コキンバイは落葉広葉樹林に生育する多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道、本州(中北部)に分布します。
コキンバイはこの手の黄色の花の植物の中では比較的覚えやすく、特徴は次の3点です。

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オレンジ色の直線の少し上に匍匐枝が見えます。
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①生え方:地表付近に匍匐枝(ほふくし:地表を水平方向に進む茎。節から根や葉を出します。)を出し、点々と群生します。
②葉:三出複葉(さんしゅつふくよう:3枚の小葉からなる葉)で、深い切れ込みと、粗く不規則気味の鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)が出ます。
③花と実:ヘビイチゴの花をひとまわり大きくしたような黄色の花が咲きます。ヘビイチゴのような赤い実はできません。

見慣れれば似たような植物はありませんが、葉が3枚で黄色の花をつけるという共通項で探せば、よく見る植物ではヘビイチゴヤブヘビイチゴ、キジムシロ属のミツバツチグリ等があげられます。
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整然と並んだ鋸歯の例。ヤブヘビイチゴ

これらの植物の葉の鋸歯(きょし)は整然と並んでおり、脈もそれにあわせて平行にきれいに並びます。ですから、間違えることは殆どないと思います。