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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

青森県で出会った植物-63.キジムシロ-

この前の記事で話題にのぼったキジムシロです。

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青森県横浜町(5月20日)にて

キジ(雉)が座るムシロ(敷物)だからキジムシロなのでしょうか?キジが座っているところは見たことないですが、キジムシロは草原に生育する植物なので、座っている可能性は十分ありますね。座っている姿を想像すると、ちょっとほほえましいです。
キジムシロはバラ科キジムシロ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道~九州に分布します。
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キジムシロの特徴は次の3点です。
①生え方:匍匐枝(ほふくし:地表を水平方向に進む茎。節から根や葉を出します。)はありません。
②葉:奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう:キジムシロのような葉のことを指します)。小葉の枚数は59枚ですが、7枚が多いです。全体毛が多いですが、葉裏が真っ白になることはないです。
③花:ヘビイチゴのような花を花茎(かけい:花の付く茎)の先に数個つけます。
 
キジムシロは似た仲間がたくさんあるのですが、匍匐枝の有無と、小葉の枚数で典型的な個体なら見分けることができます。ここで典型的と言ったのは、キジムシロは非常に個体の変異の幅が大きいからです。

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青森県横浜町(5月20日)にて

写真の個体は山頂の草地で見たため、非常に小型で、カメラのレンズカバーと同じくらいの大きさです。また、かなり毛も多いです。とてもキジは座れません。

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北海道平取町(6月9日)にて

一方、こちらの個体はとなりのフキの葉と直径がだいたい同じです。やや林縁に近い日陰に生育していたため、葉が薄く、毛も少ないです。キジは座れそうですが、薄くて座り心地が悪そうです。

このように一見すると、「違う植物なのでは?」と思わせるところが、キジムシロと類似種との見極めをさらに難しくする一因かもしれません。