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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

青森県で出会った植物-61.マイヅルソウ-

名前も容姿も上品なマイヅルソウです。

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日本の野生植物(平凡社)によれば、「葉脈の曲がった形を翼を広げたツルに見立てた」とありましたが、葉脈を翼に見立てるという表現が個人的にはわかりづらい感じがします。私は素直に葉の形状がツルの飛び立つ瞬間に似ているような気がします。
マイヅルソウユリ科(新分類体系ではナギイカダ科)マイヅルソウ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道~九州に分布します。岐阜でもうちの近所では見ることはできませんが、飛騨や奥美濃まで行けばわりと普通に見られると思います。山地~亜高山の樹林地に分布します。

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マイヅルソウ自体は珍しい植物ではないのですが、今回の青森ではアカマツ林の林床一面に生育していて、圧巻でした。

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うちの近所や西日本でアカマツ林というと、痩せて乾燥した尾根に成立したアカマツ林をイメージしてしまうので、アカマツ林とマイヅルソウがすぐには結びつきませんでした。同じアカマツ林と言っても、地域や生えている環境によって印象がだいぶ違うものだと感じました。
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マイヅルソウはすぐに覚えられる植物で、特徴は次の2点です。
①葉:丸味を帯びたハート型の葉を2枚つけます。
②花:小型の白い花を、小さな試験管ブラシにような花序に20個程度つけます。
 
似たような植物にヒメマイヅルソウがあります。マイヅルソウは葉裏の脈上は平滑か、半円状の不明瞭な突起があります。ヒメマイヅルソウの葉裏の脈上には明瞭な突起状の毛があり、葉裏の状態で識別できます。