青森県で出会った植物-60.アズマギク-
手持ちのよいスゲの写真がなくなったので、次の話題に移りたいと思います。5、6月と青森県に出かけたので、そこで出会った植物をいくつか紹介したいと思います。
今年、青森県で初めて見ることができたアズマギクです。念願の植物に出会えてラッキーでした
1つの株から1本の茎を出し1花をつけるものが多かった。
1株か、複数株かよくわからなかったが、中にはこんな大株もあった。
アズマギクは、名前に「キク」とつくし、花も大きいので野菊の仲間のようですが、岐阜周辺で見ることが出来るヨメナやノコンギクのような野菊にはあまり似ていません。むしろ。雰囲気がヒメジョオンに似ています。それもそのはずで、アズマギクはキク科ムカシヨモギ属に分類され、ヒメジョオンと同じ属なのです。これを書いている時に、私もあらためて知りました。
野菊の仲間はたいてい花が付いてから同定すると思いますので、花を中心にアズマギクの特徴を述べます。
②葉:根生葉(こんせいよう:地面際に付く葉)はヘラ形、茎の葉は長楕円形から線形、いずれも全縁(ぜんえん:葉の縁にギザギザがない)。
③毛:植物体全体に毛が目立ちます。
自生地の環境。シバ草地にササが侵入してきている。
アズマギクは本州(中部地方以北)のやや乾燥した草丈の低い草地(写真のような草地)に生育します。ただ、写真の場所はだいぶササが侵入してきているので、数年もしたらササに覆われてしまいそうです。アズマギクは草丈が20cm前後なので、ササに覆われたらこの場所からはなくなってしまうかもしれません。そう考えると、アズマギクの生育環境は、何らかの要因で草丈の低い草地が維持されるような、微妙な場所といえます。アズマギクになかなか出会えないのは、アズマギクがこのような微妙な環境にしか生育できないからかもしれません。