河川堤防の植物-140.ニガナ-
春先に目立つ黄色の花ですが、ニガナの花はひかえめです。
ニガナは背丈が30cm程度で、明るい環境を好みます。そのため、草刈が行われていない堤防だと個体数が少ない上に、他の植物にかくれてしまい、花は殆ど目立ちません。でも、シバ草地や草刈が行われるチガヤ草地といった草丈の低い堤防では個体数が多くなるため、控えめながらも結構目立ちます。ニガナが生えるような、管理の行き届いた堤防は、たまに珍しい植物が出てくるので、私が好きな環境の一つです。
低茎の草地では多くの個体が生育し、星のよう。これなら気づきますね!
ニガナはキク科ニガナ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、日本全国の低地~山地の草地に生育します。
ニガナの特徴は次の3点です。春先にこの花がついていれば、間違えることはないと思います。
①茎と大きさ:茎や葉をちぎると白い液が出ます。草丈は30cm以下(膝丈未満です)で、匍匐する茎はありません。
②葉:根元の葉は柄があり、しゃもじ型です。茎の葉は柄がなく、狭い卵形です。
③花:花びらのように見える舌状花(ぜつじょうか:写真参照)は、5~7個です。花の直径は1cm程度です。
ニガナに似た植物はいくつかありますが、よく見る似た植物としてはハナニガナがあります。ハナニガナはニガナよりも大型で、舌状花の数が8~11個と多いものです。
ただ、なかには舌状花の数が6~8個のようなものもあり、このような場合はどちらか迷います。ニガナとハナニガナは変種の関係なので、たまにどっちつかずのものが出てきてもしょうがないのかもしれません。そんな時は、多くの個体を観察して、エイヤッ!で決めてよいと思います。もう1種似た植物としてノニガナがあります。ノニガナは茎の葉が矢じり型になる点で異なります。