初夏と言えばスゲでしょ!-59.ウマスゲ-
今回紹介するスゲはちょっと珍しいウマスゲです。
岐阜県(5月28日)にて
なぜ、ウマという名前が付くのかはよくわかりません。このスゲの特徴は果苞が長いことです。1個の果苞が1cmぐらいと、とても長いです。「この果苞の長さと、馬の顔の長さをかけたのかも!」というのは私の個人的な解釈です。
ウマスゲはミヤマシラスゲ節の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、関東以西の本州、四国、九州に分布します。河川の氾濫原や湿地に生育するとされ、私がこれまで見たのは、下流部の平野を流れる河川の水際が殆どです。
ウマスゲの特徴は次の4点です。用語は導入編を参照して下さい。
こんな感じで群生します。岐阜県(5月28日)にて。
①生え方:地下茎で増えるため群生します。
②大きさ:40~60cm程度です。
③小穂(しょうすい):雄小穂は雌小穂よりも離れて付きます。雌小穂は柄が殆ど無いです。果胞は大きいですが、小穂の長さは2-3cmと意外と短いです。
④果胞(かほう):柱頭は3分岐。果苞は嘴が長く、長さは1cm程度。
ウマスゲと似たスゲはあまりないですが、一瞬、シオクグの仲間かな~と思うことがあるかもしれません。シオクグの仲間は塩生地や海浜のように海水の影響を受ける場所に生育するものが多いので、ウマスゲとは生育環境が異なります。