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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

初夏と言えばスゲでしょ!-58.オオカワズスゲ-

先日、青森県で撮影してきたオオカワズスゲです。

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青森県(6月10日)にて

名前に「カワズ」とつくだけに、湿地や河畔の水辺に生育します。そして「オオ」とつくだけに小さな小穂が密集するタイプのスゲの中では、茎や葉が太く、全体も大型(大きいものは60cmくらい)です。そのため、見慣れれば遠目でもオオカワズスゲとわかります。
オオカワズスゲはミノボロスゲ節の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道、本州(関東・中部以北)に分布します。このような分布状況からも寒冷地に多いスゲということがわかりますね。
オオカワズスゲの特徴は次の4点です。用語は導入編を参照して下さい。

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写真は比較的小型の株です。もっと大きくなります。青森県にて(6月10日
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①生え方:地下茎は出さないので株になります。
②茎と葉:茎は太い三角形で、根元で35mmくらいあります。葉も幅38mmくらいあります。
③苞葉:苞葉(ほうよう:小穂の下に付く葉)は針のような形状で、一番下のものだけが目立ちます。でも、目立つとは言っても花序(かじょ:小穂の集合)より長くなることはありません。
④果胞:柱頭2分岐。果胞(かほう)狭卵形(きょうらんけい)嘴(くちばし)が長いです。

オオカワズスゲはその大きさから似た種はあまりありませんが、名前が似ているものにヤチカワズスゲがあります。ヤチカワズスゲも湿った環境に生育します。ヤチカワズスゲはオオカワズスゲよりも細く、雄小穂の付く位置が異なります。オオカワズスゲは雄花が小穂の先端に付くのに対し、ヤチカワズスゲは小穂の基部に雄花が付きます。