馬淵川下流
街中を流れる馬淵川。水辺に樹林もありますが、写真手前のような牧草地?が多い。
馬淵川は岩手県葛巻町の北上高地付近を源流として、岩手県北部、青森県を流れ、八戸市で太平洋に注ぎます。河口近くの下流部は街中を流れる河川のため、河川敷はゴルフ場や採草地?となっており、あまりパッとしません。水際にはヤナギ林のような河川本来の植生も残されていますが、幅が狭いため、思ったより変わった植物はありません。河川敷の大半は外来種が優占し、イネ科の花粉アレルギーの方にとっては厳しい環境だと思います。
郊外を流れる馬淵川。自然が豊かになってきます。天気はよいですが風が強い・・・。
少し上流へ行くと、郊外となり農地が増えてきます。河川敷も農地として利用され、水際の樹林帯の幅も少し広くなってきます。このあたりのヤナギ林の構成種は、高木がジャヤナギ、シロヤナギで、低木がタチヤナギ、カワヤナギ、オノエヤナギといった感じです。シロヤナギが出現することで、東北地方に来たと感じることができます。
ハルザキヤマガラシはたくさん生育していましたが、殆ど花は終わっていました。たまたま、草刈後に再生して花を咲かせている個体をみつけました。
イタチハギはちょうど満開でした。イタチハギ、ハルザキヤマガラシは冷涼な地方で個体数が多い印象を受けます。
一見するとヤエムグラですが、これはシラホシムグラという外来種。ヤエムグラとの違いは葉の付け根付近の茎に長白毛が出ることで、花の色もヤエムグラより白色が強い感じです。これがヤエムグラよりも多いのには驚きました。
その他には、オニウシノケグサ、オオスズメノカタビラ、ナガハグサ、ハルガヤ、牧草系のクサヨシ等、イネ科外来種がたくさんありましたが、イネ科は風にゆられて写真どころではありませんでした。
外来種ばかりではつまらないので、最後にオオカワズスゲです。岐阜では飛騨地方あたりまで行かないと見られませんが、河口近くでも見ることができました。オオカワズスゲが低地で見られるところから、北東北の雰囲気が感じられます。