岐阜県羽島市・愛知県一宮市 木曽川下流
木曽川は岐阜県を代表する大河川の一つです。長野県木祖村に水源があり、下流部は岐阜県と愛知県の県境となっています。今回は、岐阜県と愛知県の県境となる、木曽川下流を訪れました。木曽川下流ともなると河川敷の幅は700~800m程度になり、自分と反対側の岸はかなり遠くに見えます。
木曽川下流(岐阜県区間)の特徴としては、広い川幅だけでなく複雑な河川敷があげられます。ヤフーの地図や、グーグルアースなどの航空写真を見ると、広い砂州、中州、ワンド、細い流路、水溜りなど複雑な環境が形成されていることがわかります。こういった複雑な河川敷を見ると、「珍しい植物があるのでは?」と思い、私はすごくワクワクします。今回は、ちょっとした探検気分で、水辺周辺を中心に見てきました。
こちらは細い流路。細い流路は本流よりも流れが緩く、水深も浅いので、珍しい水草が生育していることがありあす。期待できます!
どんどん歩くと樹林の中に入ってしまいました。このあたりの水辺の樹林は高木林だとアカメヤナギやジャヤナギの樹林が多く、低木林だとタチヤナギやカワヤナギの樹林が多い感じです。こうなってしまうと、流路は薄暗くなり、ミゾソバのような特定の植物が繁茂し、出現する植物はやや単調になってしまいます。
水溜りですが、ここは既に干上がっていました。水溜りは増水すると、細い流路や河川とつながり、増水が少ないと干上がってしまうこともあります。明るい水溜りが干上がると、短命な一年生草本がいっせいに芽吹きだします。写真手前の黄緑色の絨毯は、アゼナ、アメリカアゼナなどからできています。
本流ですが、中州に囲まれた狭い流路です。水深が浅く、釣り人がはく胴長で歩くことができます。
流速や水深が適当なのか、水中には水草がたくさん茂っていました。写真で見てもわかりませんが、上のほうから、ホザキノフサモ、オオカナダモ、エビモが写っています。その他にはクロモ、ホソバミズヒキモなんかが多く見られました。
今回うまく撮影できた植物はこんな感じです。
イボクサ。ちょっと太陽の光で花弁の色がとんでしまいましたが、花弁は薄いピンク色をしています。これは在来種。
ゴキヅル。水辺に生育するウリの仲間。ちょっとだけ珍しい植物です。花や実の形が面白い。