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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

初夏と言えばスゲでしょ!-50.カサスゲ-

スゲ属の植物で役に立つものは殆どないと思いますが、カサスゲは別です。

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茨城県水海道市にて(5月上旬)

カサスゲは菅笠などの材料となります。今は栽培しているところも殆どないですが、一昨年、スゲの会の観察会で、カサスゲの栽培地(富山県高岡市)を見てきました。

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谷津田にカサスゲが植えられている。濃い緑色がカサスゲです。(富山県高岡市、6月上旬)

昔は、こんな感じの栽培地がどこにでもあったのでしょうか?それとも、昔は栽培しなくても谷地にカサスゲが大量にあったものなのか?そのあたりはよくわかりません。
カサスゲはスゲ属ミヤマシラスゲ節の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道~九州に分布します。

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こんな感じで群生します。この規模だと中規模の広がりでしょうか。(茨城県水海道市
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カサスゲの特徴は次の4点です。
①生え方と生育環境:地下茎で増えるため群生します。湿地に生育します。
②大きさ:70100cmくらいの高さになり大型です。
雌小穂(ししょうすい):柱頭3分岐。雌鱗片(めすりんぺん)は紫褐色を帯びます。
④基部の鞘の色:茎の基部は赤紫色を帯びます(写真なし)。


わりとよく見るスゲ類です。生え方、生育環境、大型のスゲという点で、見慣れればすぐに当たりはつけられます。ただし、同じような環境に、同じような生え方をするスゲ類(例えばオニナルコスゲかな)もあるので、穂は必ず確認したほうがよいと思います。特に似た種としてはキンキカサスゲがあります。カサスゲとキンキカサスゲの違いは、かなり難しいので、図鑑を参照して下さい。紹介する機会があったら、カサスゲとキンキカサスゲを比較したいと思います。