初夏と言えばスゲでしょ!-50.カサスゲ-
スゲ属の植物で役に立つものは殆どないと思いますが、カサスゲは別です。
昔は、こんな感じの栽培地がどこにでもあったのでしょうか?それとも、昔は栽培しなくても谷地にカサスゲが大量にあったものなのか?そのあたりはよくわかりません。
カサスゲはスゲ属ミヤマシラスゲ節の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道~九州に分布します。
カサスゲの特徴は次の4点です。
①生え方と生育環境:地下茎で増えるため群生します。湿地に生育します。
②大きさ:70~100cmくらいの高さになり大型です。
③雌小穂(ししょうすい):柱頭は3分岐。雌鱗片(めすりんぺん)は紫褐色を帯びます。
④基部の鞘の色:茎の基部は赤紫色を帯びます(写真なし)。
わりとよく見るスゲ類です。生え方、生育環境、大型のスゲという点で、見慣れればすぐに当たりはつけられます。ただし、同じような環境に、同じような生え方をするスゲ類(例えばオニナルコスゲかな)もあるので、穂は必ず確認したほうがよいと思います。特に似た種としてはキンキカサスゲがあります。カサスゲとキンキカサスゲの違いは、かなり難しいので、図鑑を参照して下さい。紹介する機会があったら、カサスゲとキンキカサスゲを比較したいと思います。