吹越烏帽子登山
正面の山が吹越烏帽子です
この山は下北半島の“まさかり”の持ち手の中ほどあたりにある標高508mの山です。駐車スペースのある登山口から山頂までは、歩くだけなら1時間かかりません。名のある山ではないので、とても静かです。静かすぎるくらいで、人よりも熊に出会う確立のほうが高いかもしれません(笑)。
明るいアカマツ林の林床
歩き出してしばらくは、アカマツ林やミズナラからなる落葉広葉樹二次林が続きます。林床はマイヅルソウが満開で、とてもきれいでした。標高200m前後の低い標高でマイヅルソウが出てくるところからも、緯度が高いんだな~と感じます。
クロマツ低木林
登りが少し急になると、視界が開けてきました。標高350mくらいでしょうか。マツの低木林が出てきました。ゴヨウマツの仲間かなと思いきや、なんとクロマツ!?普通、クロマツは海岸沿いに植林され、沿海地の平野にあるものと思っていたのに、アカマツ林よりも高い標高に出てくるなんて・・・、かなり驚きました。
見た目には高い山っぽくないですか?
クロマツの低木林を抜けると、落葉樹の低木林やササ原、部分的には自然裸地も出現します。なんだか、見た目的には高い山のような景観になります。しかし、標高500m程度の山なので、高山植物は全くありません。冬場の雪や、風の強い環境といった高山に似た環境が、高山的な景観をつくりだしているのかもしれません。
普通、水辺ではなく林縁に多いキツネヤナギ
少し高い山に多いミヤマヤナギ
近所でもよく見るヤマツツジ
草地や低木林の端では、春の花がたくさん咲いていました。こちらも高山植物ではありません。
黄色い花のキジムシロ
とても小さなフデリンドウ
こちらも小さなオオヤマフスマ
この日一番の収穫!アズマギク
そして、今回、もっともうれしかったのがアズマギクに初めて出会えたことです。以前、種差海岸に見に行ったのですが、草刈作業をしていた方に聞いたら、「最近はあまりないね」と言われ、見られず残念に思っていた植物です。小規模なシバ草地に点々と咲いていて、ちょうど見頃という感じでした。
山頂の祠
風力発電の風車がいっぱいです
山頂からは多数の風車が見え、ナウシカの世界のようです(ちょっと違うか)。見晴らしもよく気持ちのよい登山でした。
景観的にも面白く、とても静かで穴場的なスポットです。登山時間も短いので、近くに来る機会があるようでしたら、是非、おすすめします。