春の畦に咲く植物-42.ムラサキサギゴケ-
4月中旬、関市にて
花が似ているので、お互い間違いやすい植物です。
ムラサキサギゴケはゴマノハグサ科(最近の分類ではサギゴケ科)の植物で、本州、四国、九州に分布します。トキワハゼより湿った場所を好むので、畑には少なく、水田周辺や湿った林縁などに生育します。高さは15cmくらいですが、茎が横に伸び、群生することが多いです。
ムラサキサギゴケの特徴は次の3点2点です。
①花:花は1.5~2cm程度の大きさで、紫色です。下唇が飛び出したような花の形が特徴的です。
②葉と生え方:葉は地際に集まりへら型で、明瞭な柄がありません。地面を横に這うような茎(匍匐枝:ほふくし)を四方に伸ばし、夏以降、先に新しい苗をつけます。
ムラサキサギゴケとトキワハゼは生え方が大きな違いです。
5月中旬、三重県にて
春早い時期では花序が殆どありませんが、徐々に花序の茎が伸びて春遅い頃には写真のように茎が伸びてトキワハゼに似てきます。私は春先のイメージが強かったので、花序が殆ど伸びないと思っていましたが、どうもそうではないようです。花序の茎の長さではトキワハゼとムラサキサギゴケは区別できないようです。修正します。
ちょっとまばらですが、1m四方ぐらいで群生することもあります。
ムラサキサギゴケは群生し、花が大きく、色も濃いので、花が最盛期の頃はとてもきれいです。この時期の水田のグラウンドカバーとしては最高だと思います。