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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

戌年にちなんだ植物-225.イヌホタルイ-

イヌホタルイは休耕田や放棄水田等の人里に近い湿地でよく目にする植物です。

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愛知県設楽町にて(8月12日)。自然性の高い休耕田などで見かけます。

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愛知県設楽町にて(8月12日)。イヌホタルイが群生する休耕田。テンションUP!

イヌホタルイという植物があるということは、当然ホタルイという植物もあります。ホタルイもイヌホタルイに似た植物で、いわゆる「水田雑草」と呼ばれる植物です。そのためホタルイ、イヌホタルイとも人間にとって有用な植物というよりも、どちらかといえば迷惑がられる存在だと思います。ですからイヌホタルイに使用されている「イヌ」は「役に立たない」という意味ではなく、「似ているが異なるもの」といったニュアンスで使用されているのだと思います。このような使用例は比較的分類の難しい植物に多く、イトモに対してイヌイトモ、タヌキモに対してイヌタヌキモ、トウバナに対してイヌトウバナ等があげられます。なんか、受験生の国語のテストの解説文みたいになってきました。

テストの解説文といえば、そろそろセンター試験ですね(うちにも受験生がいます)。受験生の皆さんがんばれー

イヌホタルイはカヤツリグサ科ホタルイ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道から九州、南西諸島に分布します。イヌホタルイはホタルイよりも平地や人里に近い湿地に多いと言われています。

イヌホタルイの特徴は次の3点です。
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①全体の容姿:株状に成長し、横に伸びる地下茎はありません。高さは膝丈以下。茎の断面はほぼ円形。
②花序:花序(小穂)は卵型で先は尖り気味。花序(小穂)は茎の上部に複数個つきます。厳密には、根元から花序が出る部分までが花茎で、花序が出る部分から先端までは苞葉(ほうよう:小穂の下に付く葉)と言います。
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③花と実:花の時期であれば柱頭(ちゅうとう:雌しべの先端)2~3に分岐します。図鑑では2分岐と書いてある場合もありますが、結構3分岐もまじります。実の時期であれば、横断面はレンズ型で刺針状花被片(ししんじょうかひへん:写真参照)は実の長さと同じか、より短いです。


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岩手県奥州市にて(8月15日)。たまたま並んで生育していました。これなら気付くが・・・。

類似種としてはホタルイがあげられます。ホタルイはイヌホタルイよりも茎が細く華奢と言われていますが、非常にそっくりで、単独で出現すると一見して見分けるのは難しいですね。花の時期であれば柱頭を確認し、3分岐であればホタルイとなります。ただ、イヌホタルイも3分岐がまじるので、複数の花を見る必要があると思います。実の時期の方が見分けるのは確実で、イヌホタルイの実は横断面が3角形となります。しかし、イヌホタルイの横断面はやや片側が幅広いレンズ型なので、見慣れないと3角形と間違いやすいです。
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その他にはタイワンヤマイやシカクホタルイ(雑種)等がありますが、それほど頻繁に目にすることはないと思います。