身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

金の絨毯-258.キンエノコロ-

秋が深まった河川敷を歩くと、時々金色の絨毯を目にすることがあります。その正体はキンエノコロです。

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青森県弘前市にて(9月20日)。以下、撮影場所・撮影日同じです。

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しゃがんで見てみるとよりきれい。葉が青々としていますが、秋が深まると黄色くなる。

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さらに狭い範囲でみてみるとどうですか~。お~、ビューテイフル!

キンエノコロは名前から想像できますが、金色のエノコログサです。面積的な広がりがあれば、個人的には高い山の草紅葉に負けないくらいきれいだと思います。高い山の草紅葉は、湿原が広く、湿原周辺の景観もきれいなため、非常に美しいと感じますが、草紅葉だけを切り取れば、キンエノコロの群生の方がきれいかも(個人的感想です)。夕日に輝くキンエノコロなんて最高です

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金色に輝くのはねこじゃらしの毛の部分。

金色のエノコログサなんて、非常にレアな植物のように感じますが、日本全国の路傍や河川敷などで見られる、ごく普通の植物です。植物体全体が金色に輝くわけではないので、数本が他の植物に混じって生育している程度では、意外と気づかないかもしれません。群生すれば圧巻ですが、少しだけだと、「この程度か・・・」と思われてしまうかも・・・。きっと、身近にあると思いますので、宝探し気分で探してみて下さい。

キンエノコロはイネ科エノコログサ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)です。路傍や耕作地、河川敷等に生育しますが、エノコログサやアキノエノコログサよりも少し湿った環境に多い印象を受けます。

キンエノコロの特徴は次の3点です。
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①茎:基部は赤味を帯びることが多いです。茎や葉は殆ど無毛です。
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②花序:花序(かじょ:小穂や花の集合)ネコジャラシ状で、たくさんの花(実)を密集してつけます。花序の毛は金色で時々紫色を帯びる時もある。花序は直立し、おじぎをしません。
③種子:種子は類似種の中では最も大きく、幅も広めです。実をルーペで観察すると、褐色~オリーブ色の種子の先端が見えます。

ンエノコロは花序の毛が金色の点で、類似種のエノコログサやアキノエノコログサと簡単に識別でき、実の大きさもキンエノコロの方が倍以上大きいです。
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類似種のコツブキンエノコロとの違いはかなり微妙なので、慣れるしかないです。外国ではキンエノコロとコツブキンエノコロを区別しない見解もあるようです。キンエノコロとコツブキンエノコロの種子を並べてみると、コツブキンエノコロの方が種子が小さく、幅もややスリムです。花序の毛はコツブキンエノコロの方が茶色や紫色を帯びる傾向が強いようですが、かなり微妙です。種子の大きさや花序の毛も、両者が並んではえていれば違いに気づくかもしれませんが、単独ではえているとどちらか判断に迷うこともあります。