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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

釣り場を彩る植物-34.ショウジョウバカマ-

釣り場できれいに咲いていた植物を紹介します。早春に谷をはなやかにする植物と言えば、私はショウジョウバカマが一番だと思います。

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日当たりのよい湿った場所では花つきもよく、本当にはなやかです。見るだけでウキウキしてきます。多少釣れなくても、がまんできます

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ショウジョウバカマははなやかだけではありません。結構たくましいのです。
谷の薄暗い岩場でも花を咲かせます。日なたと"はなやかさ"では劣りますが、薄暗い沢で、パッと咲いていると、神秘的な雰囲気がします。

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ショウジョウバカマは識別のポイントを説明するまでもないですね。この独特な形と、春先の鮮やかなピンクの花を見れば間違えるものはありません。私の住む岐阜県では、谷沿いに行けばだいたいの場所で見られるので、日本全国にあるものと思いきや、実はそうでもないのです。

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シロバナショウジョウバカマ徳島県那珂町にて)
白色のショウジョウバカマではなく、全く別の種です。

ショウジョウバカマは、北海道・本州・四国に分布し、九州にはありません。さらに本州でも関東地方南部や静岡県紀伊半島、中国地方、四国地方では生育量は少ないか殆ど分布していないようです。本州、四国のショウジョウバカマの分布が少ないところでは、別種で花の白いシロバナショウジョウバカマやツクシショウジョウバカマが生育するようです。なるほど、満開のショウジョウバカマの風景はどこでも見られるものではないのですね。

先に似た植物がないと言いましたが、それは花が咲けばの話です。花無しでシロバナショウジョウバカマとツクシショウジョウバカマを見分けるのは不可能(私には)ですが、花無しの状態で少し似た植物には、シライトソウ、ノギランがあります。シライトソウ、ノギランは花なしでも見分けられますが、その違いは、これらの種を紹介する際に説明したいと思います。今回はショウジョウバカマの葉の特徴だけ説明します。
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①葉は常緑です。冬場に翌春の芽がもっこりとできあがっています。
②葉はつるつる、てかてかして、葉脈はあまり見えず、鋸歯もありません。

最後にショウジョウバカマのたくましさを紹介します。ショウジョウバカマは葉の先が地面に着くと、新しい苗を形成するのです!葉が枯れると、新しい苗は完全に独立して別個体になります。薄暗い谷でも比較的多くの個体が生育しているのは、このような栄養繁殖(えいようはんしょく:おしべとめしべの受粉を伴わないで新しい個体を形成する繁殖方法)のおかげかもしれませんね。