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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

岐阜県で撮影した植物-184.アオネカズラ-

春植物を見に行った際にみつけたアオネカズラです。岐阜県ではちょっと珍しい植物です。

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岐阜県郡上市にて(3月18日)。谷沿いの岩場に群生していました。

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色合いは白っぽい黄緑色。薄暗い谷では青白い感じが神秘的。

名前に「カズラ」と付く植物はフウトウカズラ、サネカズラ、ハスノハカズラ…etc.など、つる植物が多いですが、アオネカズラは珍しくシダ植物です。なんでカズラかというと、横に這う根系(こんけい:地下(地表)器官全体の総称)がつるのように見えるからだと思います。そして、この根系が青色(緑色)をしているから、「青根」という名前になったようです。アオネカズラの特徴でもある、長く伸びる根系はアオネカズラだけの特徴ではありません。ノキシノブの仲間やコケシノブの仲間など、岩にへばりつく多くのシダ類も長く伸びる根系を持ちますが、アオネカズラほど目立つ根系はつけません。ですから、アオネカズラという名前は特徴を現したよい名前のような気がします。

アオネカズラはウラボシ科エゾデンダ属のシダ植物で、本州(関東以西)、四国、九州の暖地に分布します。図鑑では暖地に分布とありましたが、写真撮影地である郡上市は、冬場は結構冷え込みます。アオネカズラは冬場に葉を出し、夏場に葉が枯れる冬緑性の植物ですが、意外と冬の寒さに耐えられるようです。

アオネカズラの特徴は次の3点です。
①生育環境:谷沿いの岩場や樹上。谷沿い以外にも生育するのかもしれませんが、私は谷沿いでしか、まだ見たことがありません。
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②根系:名前の由来となった、青色の横に長く這う太い根系が大きな特徴です。
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③葉:羽状に深裂します。言葉で説明すると難しいので、形を覚えてしまったほうが早いです。葉には短毛が多く、さわるとビロード状の感触があります。


似たような植物にはタイワンアオネカズラ等がありますが、類似種は琉球奄美地方にあるので、本種の分布域では似たような植物はありません。同じ属のオシャグジデンダは葉の形は似ていますが、目立つ青い根はつけません。