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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

徳島で出会った植物-28.ヤブツバキ-

林縁の植物の次は常緑広葉樹林の植物を紹介します。これは皆さんご存知のヤブツバキです。ヤブツバキはツバキ科の植物で本州・四国・九州・琉球に分布します。

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ツバキは日本人が特に好む花の一つではないでしょうか。公園や庭にもよく植えられ、ピンクや白、八重咲き等、多くの品種があります。山野にも多く自生していますが、山野に生えているものは、写真のように赤が殆どで、公園の品種に比べると花付きが少ないです。

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この写真のように花付きは悪いですが、樹林や林縁でひっそりと咲くつばきも、私は野趣があって好きです。

ヤブツバキの花の大きさは、日本の植物の中ではかなり大きい部類じゃないかと思います。この花が咲けば、誰でもヤブツバキだとわかりますね。あと、花が終わった後に、花1個がまるまる落ちるのも特徴です。写真は、落ちて間もないヤブツバキの花ですが、すごい蜜がついていて、さわるとベタベタでした。

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ところが、ヤブツバキの花の咲く時期は少々肌寒く、あまり昆虫がきていないような気がしませんか?小さな虫が入っている時もありますが、小さな虫相手なら、こんなに大きな花じゃなくてもいいのに・・・。そんな時、メジロヤブツバキの中からパラパラと飛び立ちしました。何かの写真でメジロがツバキの蜜をすっている写真を見たような・・・。ひょっとして、ツバキは鳥に受粉を頼んでいるのかも!それなら、あの大きな花と大量の蜜の理由も納得!!山を歩きながら、なんとなく問題が解決したような気分になりました。
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花が咲けば誰でもわかるヤブツバキですが、葉だけでも皆さんは区別できますか?常緑広葉樹林の森に入ると、林内は薄暗く、似たような常緑樹が多数はえています。初心者にとっては常緑樹を葉だけで識別するのは結構難しく、私も学生の頃は、何回も標本を採集しました・・・。
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ヤブツバキの葉の特徴は次のような感じです。
◆葉は互生(ごせい:葉が交互に着く)します。全体硬く、両面に光沢があり、そろった鋸歯があります。透かすと、中脈、側脈がはっきり見え、側脈は連結します。
常緑樹を区別するには、とにかく“習うより慣れろ”ですね。基本となるヤブツバキの葉の特徴はおさえておきたいものですね。

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あと、樹皮も意外と種の同定に役立ちます。ヤブツバキの樹皮は、白味を帯びた灰褐色で、つるんとしています。ヤブツバキは大きいものでは10mを超え、樹林内では葉が手に届かない時もあります。こんな時は、樹皮の特徴とあわせて同定するとよいです。