身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

春の七草-1.セリ-

セリは野菜売場にも売っているので、見たことがある人が多いと思います。でも、冬の水田に生えているセリは、野菜売場のセリとはだいぶ違います。
 
写真のように色は茶色からくすんだ緑色で、葉の柄の部分が短いです。写真にスケールを入れ忘れたのですが、これで葉一枚の大きさが10cm以下です。この色とサイズだと、目が慣れないと探すのに苦労します。
水が豊富な場所の個体だと、葉が大きく、緑色も少し鮮やかになる傾向があり、野菜売場のものに近づいてきます。
ところで、セリの一枚の葉は、黄色の線で囲んだ範囲ということをご存知でしたか(下段の写真)?
セリは赤い線の軸〔葉軸(ようじく)〕に複数の小さな葉がついて、一枚の葉を形作っているのです。このような葉は植物用語で羽状複葉(うじょうふくよう)と呼びます。赤い線の軸の部分が羽のように見えることからこのような名前がついたのでしょう。
 
イメージ 1
冬の水田で、羽状の明瞭な軸(赤い線の部分)のある葉をつける植物は、セリ以外は殆どありません。安心して採集できる植物だと思います。植物を少し知っている方は、ドクゼリが少し似ているのでは?と思う方もいるかもしれません。ドクゼリは有毒植物で、冷涼な地方の湿地や山間地の山際の湿地等でたまに見ることができる植物です。セリよりも大型で、地下に芋状の地下茎がついているのが特徴です。ドクゼリは開けた水田に生育することは殆どないので、あまり心配する必要はありませんが、山中の湿地でセリを摘むときは少し注意したほうがよいかもしれません。