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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

2020年の出会いベスト5(第4位)-340.ヒナノシャクジョウ-

この植物は初見ではなく久しぶりに見た感じです。第4位はヒナノシャクジョウです。

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愛知県にて(8月5日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

ヒナノシャクジョウを最初に見た時は、「変なキノコだな」とまず思いました。何しろ大きさが2-3㎝と小さい上に真っ白。遠目に見ればキノコやカビの仲間と思ってしまいます。当時なんで植物と思ったのかは、もう定かではありませんが、多分近づいて見たんでしょうね。近づいて見ると、「あれっ、花みたいのがついてる!ということは植物だ!」という具合ですね。花が咲けば当然キノコ🍄ではないですからね~。

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個体数が多いとは言ってもこんな感じ。植物というよりカビやキノコっぽいですよね。

今回は3回目ぐらいの出会いだったので、すぐにわかりました。しかも個体数が多かったので。個体数が多いということは、よっぽど良い環境なのかと思いきや、ごく普通の谷沿いのスギやヒノキの植林地なんですよね…。谷沿いの植林地なんかどこにでもある環境ですが、ヒナノシャクジョウにはなかなか出会えません。これは何故なんでしょう?考えられる理由としては、もとから個体数が少ないというのが一般的でしょうか。あとは、確認適期が限られ、小型で見つけづらい植物だから、実際はそこそこ生育しているけど、確認できていないだけというのも考えられます。私としては前者の方の理由の方が都合が良いですね。後者の理由では私の目が節穴ということになってしまいますから😅。ただ、今回のようにたくさんの個体に出会うと、実は結構普通に生育していて、気づいていないだけかも…と少し不安にもなります。

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花が開くと雄しべが見えます。ちゃんとした植物なんですね。でも誰がこの花に集まってくるんだろう?

ヒナノシャクジョウヒナノシャクジョウヒナノシャクジョウ属の菌従属栄養植物多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)のようです。こんな小さな植物なのに多年草なんですね。図鑑を見てビックリです。真っ白な植物体から光合成をしない菌従属栄養植物(きんじゅうぞくえいようしょくぶつ:菌類と共生関係を結び、菌類から栄養をもらって生育する植物)というのはすぐにわかりますね。本州(関東以西)~琉球まで分布し、樹林地に生育します。私は今までは常緑樹が混じるような植林地でしか見たことがありません。

ヒナノシャクジョウの特徴は次の2点です。

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①全体容姿:真っ白で大きさは2-5㎝程度。図鑑では大きなものは15㎝にまでなるようですが、そんなに大きなものはまだ見たことがないです。今回見たのは花の時期ですが、ひょっとしたら実ができる頃には大きくなるのかもしれません。

②花:花は柄が無く、数個が茎の先端に集まります。花は先端がつぼみの時期は褐色で、開くと黄色くなるみたいです。

あまり似た植物はありません。強いて言えばキノコやカビと思って見過ごさないようにという感じでしょうか😁。ヒナノシャクジョウ科にはあと4種ありますが、いずれも南方に多い分類群です。私はまだ見たことがないので、いつか見てみたいと思う植物達です。