北海道で出会った植物-203.ウラジロタデ-
ウラジロタデは私にとっては高山の砂礫地に生育するイメージがあります。
北海道ニセコ町にて(7月17日)。標高1700m付近の砂礫地に生育。
ところが羊蹄山の麓でなんか変なオオイタドリがあるなーと思っていたら、なんとウラジロタデではありませんか!こちらはオオイタドリやチシマザサと混生して生育し、草丈も人の背丈ほどあります。高山で見た個体とは大きさや雰囲気が全く異なり、ここまで違うものなのかと驚きました。花が咲いていなかったら、オオイタドリに紛れて気づかなかったかもしれません。ウラジロタデがどの程度の低標高まで生育するのかはわかりませんが、北海道の冷涼な気候がなせるわざなんでしょうね。
ウラジロタデはタデ科オンタデ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道と本州中北部に分布します。亜高山帯以上の標高に分布することが多いようですが、高緯度の地方では今回のように低標高まで降りてくることがあるようですね。
ウラジロタデの特徴は次の2点です。
①葉:大きなものでは20cm程度になる卵型の葉を互生(ごせい:葉が交互に着く)します。葉には鋸歯は無く、裏は真っ白になり毛を密生します。
②花序:長さが10cm以上になる大きな円錐花序(えんすいかじょ:枝が多数分枝して、円錐形の形となる花の集まり)に、白い花を多数つけます。雌雄異株(しゆういかぶ:雄株と雌株が別々)で、雄花、雌花とも短い柄があります。
類似種としては同じく亜高山以上に生育するオンタデやオヤマソバがありますが、いずれも葉裏が白くなりません。
大型のウラジロタデはオオイタドリにも一見すると似ていますが、オオイタドリは葉の基部が顕著なハート型になる点、葉裏に毛がない点で異なります。また、オオイタドリの花序は上部の葉腋に多数つく点で、雰囲気が異なります。