諏訪大社の社寺林 その2-上社他(諏訪市・茅野市・岡谷市)-
本宮の社寺林。赤茶色の針葉樹がスギ、緑色の濃い背の高い針葉樹がモミやバラモミ。中央の葉の少ない針葉樹がサワラです。社殿周辺の樹木は特に大きい。
社寺林は「諏訪大社上社社叢」として長野県の天然記念物に指定され、スギ、サワラ、モミ、ケヤキが中心ですが、背後に山林があるせいか、ツガ、バラモミ、カツラ(かな?)といった他のお宮では見かけなかった大木が見られました。
本宮の境内上段。針葉樹の大木に囲まれている。
入口御門から続く布橋。のれん?の諏訪大社の神紋はカジノキをあらわしています。
本宮は細々とした社殿(小さくても重要文化財!)をたくさん見られるところが素晴らしく、特に入口御門から続く布橋は、このまま進むと別の世界に行ってしまうのでは・・・と思えるくらい神秘的でした。
バラモミの幹。札がなければモミと思って素通りしてしまうところでした。
そして社殿以上にテンションがあがったのがこのバラモミ。私の目測では樹高30m以上はありそうで、あまりの大きさに「バラモミである」とちゃんとは確認できませんでしたが、モミではなさそうだということは認識できました。こんな珍品があるとはびっくりでした。
前宮の拝所。他の3宮に比べるとこじんまりとしているが、その分親近感がある。
前宮の拝所を取り囲む社寺林。4隅には御柱があり、2本見える。
社寺林は家や農耕地に分断され、面積的には他のお宮に比べると狭いですが、周囲に農耕地が広がる点で他のお宮とは少し異なる雰囲気がありました。社寺林の構成種はスギ、ケヤキが主体でイヌシデが見られる点で、より二次林的な印象を受けました。
諏訪大社で祭られている神様は建御名方神(たけみなかたのかみ)とその妃の八坂刀売神(やさかとめのかみ)です。この建御名方神は建御雷神(たけいかづちのかみ)との争いに敗れ諏訪の地にやってきたそうです。一方、諏訪には土着の神々がいて、建御名方神と土着の神々との間にも争いがあったようです。最終的には土着の神々は建御名方神の配下となり、ともに諏訪の地を治めたようです(別な神話もあるようですし、解釈が違っているかもしれません。詳しく知りたい方はそちら専門のサイトをご覧下さい)。
夫婦サワラ(私が勝手に名づけました)。わりと立派な木です。
社寺林は中央高速道路によって背後の森と分断され、スギが殆どですが、サワラやケヤキも見られました。特に社殿のすぐ横にあるサワラは立派で、基部で2本が合着した夫婦サワラとなっていて、一見の価値があります。
諏訪大社4宮+αの神社めぐりは車を利用すれば1日でできますが、植物もしっかり見るとちょっときついかもしれません(笑)。今回紹介した木々はパッと見た限りの記載なので、その他にも多くの木々が生育しています。葉のつく頃に行ったらもっと面白いし、見るのに時間がかかってしまうかも。
上社周辺で出会った植物たち。
ツガ。木自体は奥の方にあって撮影できませんでしたが、ツガボックリが落ちていました。