道後温泉(愛媛県松山市)
松山での仕事を終え、飛行機出発まで4時間ほど時間がありました。4時間程度どこかで時間をつぶせないかなと思い、道後温泉を訪れてみました。
路面電車のレトロな駅から出ると、基本的には現代的な温泉街の雰囲気。下調べ無しというこもあり、もっと古風な感じかと思っていたので、ちょっとがっかり。お土産屋や食堂のにぎやかな現代風の通りをぬけると、道後温泉本館に着きました。
圧倒的な存在感で、ここだけが異空間となっていました。本当に千と千尋の神隠しの世界に迷い込んだかと思いました。映画ではトンネルを抜けて異世界に足を踏み入れえていましたが、道後では商店街を抜けて異世界にたどりつきました。このギャップは面白い。
残念ながらこの日は休館だったのか、中には入れず・・・。
どうやって時間をつぶすか・・・と思いつつ、脇の小高い丘の上にある湯神社なるところへ歩いていくと、なんだ駐車場か・・・。
湯神社。その名のとおり温泉の神様(だったと思う)。
丘の上には湯神社(温泉の神様ですかね)があるものの、大半は駐車場となっており、思ったより面白みがない中で、圧倒的な存在感を示す巨木がありました。しかも、あまり見かけない木です。
駐車場でひときわ目立つ大木がありました。これは見に行かねば!
近づいてみると、イチイガシの巨木じゃないですか胸高直径(きょうこうちょっけい:人の胸あたりの高さの直径)は1mぐらいありそうです。
とても立派なイチイガシ。
こんな大きなイチイガシは初めて見ました。イチイガシは関東以西に分布し、南部の暖地に多い種類で、葉の裏が薄い黄褐色なのが大きな特徴です。そのため見上げると普通の木と異なる色をしています。
イチイガシの葉の裏は薄い黄褐色。遠目に見ると少し白っぽい。
こんな常緑樹の巨木が存在することからも愛媛は温暖な地域なんだな~と感じることができました。イチイガシの周辺にはクスノキやケヤキの大木が帯状に樹叢を形成していて、昔は社寺林を形成していたのかもしれません。
道後神社の反対側からの湯神社への入り口。こちらから見ると社寺林の名残が見える。
伊佐爾波神社(いさにわじんじゃ)。色彩が千と千尋の神隠しの温泉宿っぽい。
湯神社からさらに歩くと、伊佐爾波神社(いさにわじんじゃ)という神社があり、こちらの神社の社殿が非常に鮮やかな色彩で、あまりの鮮やかさにここでも千と千尋の神隠しを思い出してしまいました。この神社も少し小高い丘の上にあり、斜面は常緑樹で覆われていました。あまり大きい木はありませんでしたが、シラカシ、アラカシ、クスノキ等からなる樹林で、林内はシャシャンボやカクレミノが目立ちました。
伊佐爾波神社(いさにわじんじゃ)が鎮座する丘の斜面に広がり社寺林。
街ブラも楽しかったですが、久々に見る暖地の植生にちょっとワクワクさせてもらいました。