身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

庭の雑草-255.ウキクサ-

自宅庭の水槽や水鉢でメダカを飼育していて、そこにウキクサが生育しています。

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岐阜県関市にて(9月3日)。下も同じ日に撮影しました。

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そもそもこの水槽や水鉢はメダカを飼育したくて設置したわけではありません。仕事で調査に出かけると水草に出会うこともたまにあります。水草の仲間は時期によっては全く同定できない場合があり、その際は持ち帰って成長させてから同定することになります。その際の成長させる場として、水槽や水鉢を設置した次第です。当然、水槽や水鉢があればボウフラが発生し、庭が蚊だらけに・・・。ということでメダカを飼育しているといった感じです(メダカがいても蚊は多いんだよね~)。

多分、ウキクサは持ち帰った水草に付着していたか、水槽や水鉢の中に入れた近所の水田の土に種子が入っていたのだと思います。このウキクサ、非常に繁殖力が旺盛です。1週間も現場に出かけてしまうと、水面がウキクサで覆われてしまうくらい増殖します。

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上の水槽の11日後の状態(9月14日)。日当たりがよいためすごい勢いで増殖します!

こうなってしまうと、メダカが餌を食べづらそうなので、ウキクサを除去します。増えすぎて迷惑なウキクサですが、水質をきれいに保ったり、メダカの産卵の場になったり、藻類の繁殖を抑えたり、メリットもあります。

ウキクサはサトイモ科(旧分類ではウキクサ科)ウキクサ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、日本全国の水田や明るいため池等に生育します。ウキクサも一応植物なので、花を咲かせ種子もできるようですが、あまりにも小さいので私は確認したことがありません。種子をつけるウキクサですが、もっぱら栄養繁殖で増加するようです。夏場はうちの水槽のように葉(葉状体)がさかんに分裂して増加します。晩秋になると葉が肥厚して殖芽(しょくが:越冬するための栄養繁殖器官)となり、水底に沈んで冬を越すようです。春になると浮かんできて新しい葉(葉状体)を形成します。面白いですね~。どうやって春を感知するんですかね

ウキクサの特徴は次の3点です。
①生育状況:その名のとおり水面に浮いて生活しています。
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②葉の形:葉(葉状体)の形は円形に近く、直径は5mm程度まで大きくなります。ウキクサ類は複数種類ありますが、その他のウキクサ類は細長い楕円形か、円形の場合非常に直径が小さいです。ですから、葉(葉状体)の形だけでもウキクサは識別できます。
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③根:ウキクサにも根はあります。葉をひっくり返すと根がついています。ウキクサは1箇所から数本の短い根が出るのが特徴です。その他のウキクサ類の多くは根が1本なので、根の形状でもウキクサは簡単に識別できます。


徴のところでも述べましたが、ウキクサの仲間は複数あり、特に細長い楕円形のタイプのウキクサ類(アオウキクサやコウキクサ等)は同定が難しいです。そんなウキクサ類の中でも、ウキクサは簡単に識別できます。