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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

北海道で出会った植物-202.ハクサンチドリ-

ハクサンチドリは北海道ではよく出会う植物です。北海道で見る機会が多いせいか、春~初夏に咲くイメージが強いのですが、先日登った羊蹄山では夏なのにきれいに咲いていました。

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北海道ニセコ町にて(7月17日)。標高1600m付近の雪田に咲いていました。

ハクサンチドリが咲いていた場所は雪田周辺で最近雪がとけたようです。標高の高い場所に生育する個体にとってはちょうど今が春なのでしょう。

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北海道蘭越町にて(6月14日)。標高750m付近の草地に咲いていました。

羊蹄山周辺の低標高地には春にも訪れており、その際にもハクサンチドリが満開でした。開花時期が一月もかわってしまうことを考えると、標高の違いは、植物にとっても大きな影響を与えていることがうかがえます。ただ、植物好きにとっては、年に2回も見ることができてうれしい限りです。

ハクサンチドリはラン科ハクサンチドリ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道、本州の高山帯から亜高山帯に分布します。私の住む岐阜県では飛騨地方の亜高山帯より高いところに行かないと見ることができませんが、北海道では標高500m前後でも見ることができます。場所によっては裏山に咲いているような雰囲気でしょうか。やっぱり北海道は気候が違いますね~。

ピンク色の花を咲かせるランの仲間では、ネジバナ、ノビネチドリとともに比較的よく目にする植物です。
①生育環境:亜高山帯周辺から高山帯にかけての草地に生育。
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②葉:5-10cm程度のヘラ型の大きな葉を3-5枚互生します。
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③花:茎の先に径1cm程度の鮮やかなピンク色の花を密生してつけます。唇弁(しんべん:花の正面を向く舌のような花弁)の先はとがります。

とてもきれいな花で、ピンク色の濃淡の違いや白色など、花色には様々なバリエーションがあります。自宅に持ち帰りたくなる気持ちもわかりますが、冷涼な場所でしか生育できないので、街中で栽培してもすぐに枯れてしまいます。野山の個体をそっと見守ってあげましょう。