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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

2017年の出会いベスト5-221.リンネソウ-

2017年の出会い、第3位はリンネソウです。

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北海道ニセコ町にて(7月17日)。この場所では群生していてすぐ目についた。

羊蹄山の山頂付近で出会った小さな植物です。初めて見た植物だったので、見つけた際は名前がわかりませんでした。地味な植物だったことと、登りの途中ということもあり、それほど熱心に観察せずに、適当に写真を撮って通過してしまいました。山頂のおかまで休憩している際に図鑑をパラパラ見ていたらリンネソウということがわかり、あまりよく見てこなかったことを後悔・・・。次に見つけたら激写しようと思っていましたが、その後出会うことはありませんでした(多分)。帰りは天候が崩れそうだったので、再会することなく下山してしまいました。

リンネソウはスイカズラ科リンネソウ属の超小型の木本です。高さが10cm程度しかないので木本と言われていますが、見た目は草本です。今回は一期一会でしたが、北海道と本州(長野以北)の高山帯に分布し、世界的に見ても北極圏に近い高緯度の寒冷地に広く分布するようです。

リンネソウの名前は、現在の学名表記の原型となる「二名法」を考案した、博物学者のカール・フォン・リンネに由来します。リンネは多くの植物を分類しています。二名法では属名_種小名_命名者という形で学名が表記されます。リンネソウの場合、Linnaea borealis L.となります。この学名の最後のL.命名者の部分で、L.はリンネの略称です。植物の学名を見ると、L.がついているものが多数見られ、リンネが多くの植物を分類し命名してきたことがうかがわれます。こんな大御所の博物学者ですが、和名にリンネの名を冠した植物はこれだけのようです(日本人ではないので当然か)。そうと知っていたら、もっとありがたく見てくればよかったな~

リンネソウの特徴は次の3点です。
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①茎:茎は地面を這い、群生することが多いです。茎には短毛が密生します。
②葉:葉は長さ1cm以下で対生(たいせい:葉が対になって着く)し、卵形から楕円形、縁には数対の鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)があります。まばらに毛がはえます。
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③花:花茎(かけい:花のみをつける茎のような軸)10cm以下、先が2叉になって2つの花をつけます。花冠(かかん:つつじのような形の花の花びら)1cm以下で淡いピンク色、浅く5裂します。


11種の植物なので、似た植物はあまりないようです。小さな目だたない植物なので、足元をよーく見ていないと見過ごしてしまうと思います。