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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

2017年の出会いベスト5-223.タルマイソウ(イワブクロ)-

2017年の出会いの栄えある第1位はタルマイソウです!珍品度としては第2位のメアカンキンバイのほうが上かもしれませんが、見つけた経過を含めて思い出深い植物でした。

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北海道ニセコ町にて(7月17日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

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ちょうど花が満開の時期で最高!

の夏、羊蹄山方面へ足を向けた理由は仕事場に近いこともありましたが、この植物を見にいくことが目的でした。「これを見に行くぞ!」と意気込んで出かけることはあまりないのですが、今回は珍しく目的を持って出かけました。ただ、羊蹄山で出会えたのは想定外でした

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ハイマツの生育しない不安定な砂礫地に見事なタルマイソウの群落。

事前に調べたところ、タルマイソウは苫小牧市樽前山支笏湖の南側)では駐車場脇で簡単に見られるという情報が得られ、当初は羊蹄山に登る前日に樽前山に見に行く予定でした。ところが、樽前山に行く前夜に札幌で旧友と飲みすぎて二日酔いに・・・。なんとかレンタカーは借りたものの、すぐに駐車場に入れて半日以上仮眠する羽目に・・・。まあ、この日の午前中は大雨だったので、寝ていても問題はなかったのですが、雨が上がっても樽前山まで車を走らす気力が出ませんでした。タルマイソウはまた今度か・・・とあきらめていたので、出会えたときは本当にうれしかったですね

タルマイソウは新分類体系ではオオバコ科イワブクロ属(旧ゴマノハグサ科)の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道と本州北部の高山に分布します。高山ではありませんが、前述の樽前山に多いことからタルマイソウ(タルマエソウ)と呼ばれるようで、一般的にはイワブクロの和名のほうがメジャーかもしれません。

タルマイソウの特徴は次の3点です。
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①全体の容姿と生育環境:地下で分枝して大きな株になります。大株になっても高さは30cm以下です。他の植物があまりはえない砂礫地に生育します。
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②葉:葉は肉厚で対生(たいせい:葉が対になって着く)します。縁には先が点になるそろった鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)があります。
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③花:茎の先に淡い紫色の長さ2-3cmの筒状の花を多数つけます。萼や花冠(かかん:つつじのような形の花の花びら)に白い長毛を密生します。


タルマイソウは11種の植物なので、似た植物はないと思います。葉だけだと気付かないかもしれませんが、花が咲けば簡単にわかります。