身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

秋といえばタデの仲間-213.タニソバ-

タデの仲間は形の似ているものが多いですが、その中でもタニソバは類似種が無く、覚えやすい植物です。

イメージ 1
岐阜県高山市にて(10月6日)。湿った草むらに生えていた大型の個体。

名前が示すように、河畔や谷沿いの湿った環境で多く見かけます。名前の由来は谷に生えるソバに似た植物ということだと思います。

イメージ 2
岐阜県高山市にて(10月6日)。花が小さいので当然実も小さく食べることはできない。

ソバよりもかなり小型の植物ですが、花だけ拡大してみるとソバに似ていないこともないですネ。それもそのはず、ソバはイヌタデ属ではありませんが、同じタデ科なので似ていて当然と言えますね。

タニソバはタデ科イヌタデ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)で、北海道から九州に分布します。谷沿いの湿った草地、林縁、河畔等に生育します。それほど深い山に行かなくても見ることができると思います。

タニソバの特徴は次の4点です。葉の形だけで同定できます。
①個体サイズと茎:膝丈以下で、茎にトゲはありません。
イメージ 3
②葉:茎の中部の葉は細長い矢印のような形をしており、葉柄(ようへい:葉の柄の部分)には翼(よく:柄の部分まで伸びる葉の一部分)があります。茎の上部の葉は殆ど柄がなくなり、三角形状になります。
イメージ 4
托葉鞘(たくようしょう):葉の付け根にある筒状のものが托葉鞘と呼ばれるものです(写真参照)。この部分を確認する必要はないですが、これがあることからもイヌタデ属ということがわかります。
④花は茎の先端や葉腋に集まってつきます。花序はイヌタデの仲間のように長く伸びず、頭状花序(とうじょうかじょ:多数の柄のない花を球状につけた花の集まり)をつけます。

イヌタデ属の仲間は秋になると赤く紅葉するものがあります。こんなにきれいに紅葉しているタニソバに出会えました

イメージ 5
岐阜県高山市にて(10月5日)。赤色がタニソバ。以下も撮影日・撮影場所同じです。

イメージ 6