地元で撮影した植物-190.セイヨウタンポポ-
そろそろタンポポも終わりの時期に近づいてきました。
綿毛の時期になると花よりも背丈が高くなる。小学校か中学校に出ていたような。
セイヨウタンポポはヨーロッパ原産のキク科タンポポ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、日本全国に帰化しています。セイヨウタンポポといえば、都市部近郊の路傍に多い印象を受けますが、皆さんはどう思われますか?私が前に住んでいた東京都や神奈川県の住宅地周辺では、圧倒的にセイヨウタンポポが多かったので、「都市部近郊に多い」という印象は間違っていないと思います。それでは、田舎に行けばセイヨウタンポポは少ないのかというと、そうとも限らないようです。例えば、昨年訪れた北海道の宗谷丘陵では出会った個体は全てセイヨウタンポポのような外国産タンポポでした。セイヨウタンポポのような外国産タンポポは都市部近郊だけでなく、地域によっては田舎にもかなり進出しているようです。
セイヨウタンポポの特徴は次の2点です。これは小学生の息子も知っていたので、常識に近くなっているかもしれません。
①花:総苞片(そうほうへん:写真参照)の外側は、大きく反り返ります。外国産のタンポポ(セイヨウタンポポとアカミタンポポ)は総苞片が反り返るのに対し、在来のタンポポは総苞片が反り返らないので、国産と外国産を見分ける重要なポイントとなります。
総苞片が反り返る種子の淡褐色のタンポポは全てセイヨウタンポポと思っていましたが、どうもそう単純じゃないようです。最近の研究ではセイヨウタンポポとされる植物(総苞片が反り返り、種子は淡褐色)のうち、約6割が在来のタンポポとの雑種であるという報告があるようです。雑種かどうか正確に知るにはDNAを分析しないといけないようですが、雑種は総苞片の反りが弱かったり、花粉をつくらない(4倍体雑種)といった特徴から推測できるようです。そうは言っても、判断は難しいですよね~。セイヨウタンポポとされる種には、在来種との雑種も含まれているという理解が一番よいのかもしれません。タンポポは奥が深い植物なので、正直苦手です・・・。興味を持たれた方はタンポポハンドブック(保谷彰彦著.文一総合出版)がお手頃でやさしく解説しているのでお勧めです。