身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

地元で撮影した植物-180.トウゲシバ-

シダ植物は苦手意識が強いのと、花がないことからあまり撮影しないのですが、冬場は撮影するものがないので、たまにシダ植物も撮影します。トウゲシバです。

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岐阜県関市にて(2月12日)。解説の写真も同じ場所のものです。

苦手だから相手にしないというのでは、なかなか知識も向上しませんよね~。今年はもう少し仲良くつきあってみますかね~。名前の由来については、「峠にはえる芝のような植物」だとばかり思っていたら、「塔のような形をした芝のような植物」という説もあるみたいです。以前も紹介しましたが、トウゲシバは峠(尾根)ばかりに生える訳ではなく、谷に近いところにも生え、生育可能な環境は比較的広い植物です。その形は特徴的で、図鑑のない時代でも簡単に覚えられ、いろんなところで目にしたことでしょう。ゴツゴツした立体感が「塔」に見えなくもないので、私としては「塔のような形をした芝のような植物」という説の方が説得力を感じます。

トウゲシバはヒカゲノカズラ科コスギラン属の常緑の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)です。この仲間では最も目にする機会が多く、北海道から琉球まで、亜高山帯から暖温帯まで、様々な樹林地に生育します。これだけ広範囲に分布するので、かなり雰囲気の異なる個体があるのも事実で、ホソバトウゲシバ、ヒロハトウゲシバ、オニトウゲシバと3変種に分けられることもあります。分布の北側(亜寒帯から冷温帯)ではホソバトウゲシバが多く、南側(冷温帯か暖温帯)ではヒロハトウゲシバやオニトウゲシバが出てくるようです。関市で見かけた個体は、ホソバトウゲシバに該当すると思います。でも、北海道で見た個体に比べると少し葉の幅が広いような気がします(写真無かった・・・)。このように、各地で見ると、だんだん区別がつけづらくなる植物で、「見れば見るほどわからなくなる」というへんな植物です。

トウゲシバの特徴は次の2点です。
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①大きさと生え方:15cm
程度の大きさで数本の茎がまとまってはえます。似た植物では樹上にはえるものがありますが、トウゲシバは樹林下の地上に生育します。
②葉:葉は茎に段状多数つきます。この特徴はなんか五重塔みたいな雰囲気です。葉の長さは15mm前後で鋸歯があります。


個体の変異の大きい植物ですが、特徴的な形の植物なので、上記2点さえ確認すれば見誤る植物はないと思います。各地で見たトウゲシバの写真を加えていきたいと思います。