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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

河川堤防の植物-161.クズ-

9月下旬ともなると、秋の気配が日に日に濃くなってきますね~。深まる秋にぴったり、秋の七草の一つでもある、クズを紹介したいと思います。

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青森県弘前市にて(9月12日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。
 
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秋の七草に数えられるだけあって、花はなかなかきれい。
 
秋の七草と言いますが、実際には夏頃から咲く植物が多く、クズも8月から咲き出します。9月下旬だと、花の時期としては少し遅めかもしれません。
クズは多くの方がご存知で、昔から馴染みのある植物だと思います。クズの根は葛粉の原料で、和菓子の葛餅に使用されたり、漢方では葛根湯としても用いられますよね。お世話になっている方、多いと思います。

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草刈の頻度が少ない堤防は、時々こんな感じになってしまいます。
 
一方、クズは繁殖力のすさまじいつる植物で、草刈と関連するような職種の方からは、かなり迷惑がられていると思います。私は草刈に従事することはないのですが、クズ嫌いの1人と言えます。仕事柄、クズに取り囲まれた藪を前にすると、かなり戦意をそがれます・・・。そんな藪に行かなきゃよいのですが、行かざるをえない時もあるんですよね~。そんな訳で、クズほど役に立つ一方で、嫌われる植物も珍しいかな~と思います。

クズはマメ科クズ属の落葉藤本(らくようとうほん:冬に葉を落とす、木化するつる植物)で、北海道~九州(奄美地方まで)に生育します。藤本とは言いますが、つるの先端まで木化することはないので、多年草と藤本の中間的な感じです。草地や林縁に生育し、堤防のように頻繁に草刈が実施される草地では繁茂することが少ないですが、管理の放棄されたような草地ではあっという間に繁茂します。

クズの特徴は次の3点です。
①生態:よく伸びるつる植物。つるは太く丈夫です(手ではちぎれません)。
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②葉:3枚の小葉(しょうよう:1枚の葉が分裂してできた個々の葉のこと)からなる葉をつけます。1枚の小葉は手のひらほどになり、形も特徴的です。似た葉はありません。
③花:ピンクの花を多数つけた上向きの花序をつけます。花は下から順に咲いていきます。


似ている植物はありませんが、沖縄のものはタイワンクズという別種のようです。どのような違いがあるのかは、ちょっとわかりません。