身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

北海道猿払村 猿払原野

昨年に引き続き、猿払村を訪れる機会が得られました。
猿払村には多数の池沼や湿地が残されており、それらは原野と呼ばれています。このような原野を代表する植物の一つが、スゲの仲間です。猿払村には広大な原野が残されているのに加え、緯度が高く冷涼な地域ということもあり、高い山にしか見られないスゲ類や、北方に分布するスゲ類、珍しいスゲ類が低い標高で見られることで有名です。実は、昨年もそんな珍しいスゲ類を見たくて原野をうろついていたのです。昨年から見てみたいと思っていたのが、ムセンスゲというスゲ。昨年は残念ながら見つけられませんでしたが、今年はビックチャンスが到来しました!
釣り好きの友人が、釣りの帰りに原野をさまよっていると、モウセンゴケが生えるような湿地に出たそうです。以前、ムセンスゲに関する論文を読んだ際に、猿払原野を流れる河川の中流域という産地の記載があり、「この辺りなんじゃない?」と思ったそうです。

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夕方の広大な湿地。あたりまえですが誰もいません。あいにくの天気で少し寒々しい。

早速案内してもらいました。なるほど、広大な原野です。道路に近い側は湿地林になっていましたが、樹林を抜けると湿地が広がっています。ヤチヤナギが多く、それほどぬかるんではいません。カワズスゲ、サギスゲなどが生えていて、いい感じです。しばらくすると、見慣れないスゲを見つけました。ビンゴ!です。念願のムセンスゲを見ることができました!!

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池っぽいところにはえる小型のスゲ。出会えて感激!

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拡大するとこんな感じ。この色合いがとてもきれいです~。

なかなかきれいなスゲです。友人は、こんなので、そんなに喜んでもらえるとは・・・と不思議がっていました。
華やかな花の季節ではなかったため、地味な湿原でしたが、時期になればニッコウキスゲ(エゾゼンテイカ)なんかが咲き乱れる感じで、違う時期にも訪れたいと思いました。
しかし、似たような景色が広がる原野で、GPSなしでよくこの場所を覚えていられたものです。友人に感謝!