身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

2016の出会いベスト5-168.ホソバアカバナ-

2016年の第3位は、またまたアカバナ科で、ホソバアカバナです。別名ヤナギアカバナとも呼ばれ、すらーっとした細長い葉が特徴的です。

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北海道猿払村にて(8月26日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

ホソバアカバナを見つけた場所は、実は昨年も訪れた北海道猿払村の名も無き湿地です。ということは、去年から出会っていたんですね~。私の観察眼もまだまだです・・・。

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ホソバというだけに華奢な植物。花は5-6mmで、咲けばなんとか気づきます。

でも、本当に目立たない植物なんです。言い訳みたいですが、葉も細くて小さいし、草丈も膝丈程度で他の草に埋もれてしまうし、花がなかったら本当にわからないです!!同じ場所でも何回も足を運んでみるものですね。たいてい思いもよらぬ発見があるもので、特にあまり訪れたことのない場所だとなおさらです。自然は本当に奥が深いです。


ホソバアカバナはアカバナ科アカバナ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)です。北海道、本州中部以北の湿地に分布します。この前に紹介したトダイアカバナとは異なり、ユーラシア大陸や北米の温帯域に広く分布するようです(でも、今のところ岐阜県には分布ありません)。

ホソバアカバナの特徴は次の4点です。
①:大きさ:茎は直立します。私は膝丈程度の個体しか見ませんでしたが、図鑑では80cmにまでなると書いてあります。
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②:葉:葉は対生(たいせい:葉が対になって着く)し、線形から披針形(ひしんけい:かなり細長い卵型)、殆ど鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)がありません。葉に鋸歯のないアカバナはホソバアカバナとエダウチアカバナだけです。
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③花:花弁は4枚、淡紅色から白色、直径5-6mmアカバナの仲間はみな似たような花をつけます。柱頭(ちゅうとう:雌しべの先の部分)棍棒状です。
④果実と種子:果実は細長い形状をしており、長さ48cm、幅は1mm程度です。種子には長い毛がついており、これはアカバナの仲間の共通の特徴です。


今年は、他にもオオアカバナ、ススヤアカバナといった珍しいアカバナ属の植物を見ることができ、アカバナ属に“つき”がありました。これで国内の見たことのないアカバナ属は、アシボソ、エダウチ、タラオ、シロウマの4種となりました。来年も、まだ見ぬアカバナ属と出会えるといいな~。