地元で撮影した植物-174.マメスゲ-
家の近所にマメスゲがあったのはうれしかったですね~。
岐阜県関市にて(4月30日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。
この写真を見て、「えー、ただの草じゃん。こんなので、よく名前わかるねー」と思う方いらっしゃいますよね。少し植物に慣れた方なら、「多分、スゲ類の仲間だと思うけど、穂も出ていないのによく分かるね?」と思うでしょう。
安心して下さい!(だいぶ前のフレーズ)穂は、ちゃんと出てますから!
「ウォーリーを探せ」という本じゃないけど、穂が根元に隠れています!
この草の根元のところをよく見てあげて下さい。ほら、ちゃんと穂がでているでしょ。このパッと見たところ、穂がないように見えるのが、このマメスゲの特徴です。
マメスゲはカヤツリグサ科スゲ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)です。本州(岩手県以南)と伊豆諸島に分布します。私のイメージではモウセンゴケが生えるような貧栄養湿地の周辺に生育する感じでしたが、うちの近所は典型的な貧栄養湿地ではなかったので、図鑑に記載のあるように、湿地周辺の草地や樹林に生育するようです。地域によっては絶滅危惧植物になっているようですが、岐阜県では生育しそうな環境に行けば、比較的簡単に出会うことができます。
①全体の容姿:葉は細めで幅2-3mmです。葉の量は多く、花序は葉に埋もれるように生じます。そのため、遠目から見ると春先でも穂がないように見えます。
②雄小穂:5-10cmの長い柄の先に1個つけます。
③雌小穂:雄小穂よりもさらに低い位置に複数つけます。
マメスゲは穂さえ見つけることができれば、似ている植物はあまりないです。ハガクレスゲやメアオスゲといったアオスゲの仲間には地面際に雌小穂をつけますが、雄小穂の近くにも普通つけます。また、これらは花序が葉と同じ高さぐらいになる点でも異なります。アズマスゲも花序が葉にやや隠れて目立ちませんが、こちらは葉に毛が多い点で異なります。