畑の雑草-133.ヤハズエンドウ-
岐阜県関市にて(4月30日)。以下、撮影場所・撮影日同じです。
たがいにからみあって群生することが多いです。
ヤハズエンドウの名称は、小葉(しょうよう:羽状複葉の細かくわかれた葉の一部分)の先が矢はず(矢を弦にあてる部分)に似ているところに由来するようです。別名のカラスノエンドウは、熟した真っ黒な豆をカラスにみたてたと言われています。スズメノエンドウ(雀)よりも大きいから「カラス」にしたわけではないんですね。ヤハズエンドウは1m程度まで大きくなり、豆も「サヤエンドウ」に雰囲気が似ていて、食べられそうです。調べてみたら、若芽を食用とすると書いてありました。でも、春先の若芽は結構アブラムシがついていることが多く、ゾゾーッとするくらい大量についている時もあります。そのせいか、あまり食指はすすみません(豆なら食べてもよいかも)。
確かに若葉はおいしそう…。しかし、先客のアブラムシが既に食事中でした。
ヤハズエンドウはマメ科ソラマメ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)または越年草(えつねんそう:秋に発芽して冬越し、翌春に開花・結実して枯死する)で本州~琉球に分布します。耕作地周辺の路傍や草地に生育します。
ヤハズエンドウの特徴は次の3点です。春先にこの花がついていれば、そう間違えることはないと思います。
①葉:葉の先にまきひげがある羽状複葉(うじょうふくよう:写真参照)。これはソラマメ属の特徴でもあります。葉の先は矢はず状に少しくぼみます。葉の脇にある小さな葉のようなもの(植物用語で托葉と呼ぶ)に黒っぽい染みがあります。
②花:柄は殆どなく、葉の脇に、長さ1.5~2cm程度の紅紫色~ピンク色の花を2個程度つけます。
③実:柄はなく、長さ3~5cmの豆が上向きにつきます。豆は無毛で、中に5~10個の種子が入ります。
似た植物に、外来種のオオヤハズエンドウ、イブキノエンドウがありますが、これらは殆ど目にすることはないと思います