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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

畑の雑草-131.コハコベ-

春の七草で紹介したハコベですが、この時期になると種子が熟すので、種類を見極めることができます。私が借りている畑にはえていたのは、やはりコハコベでした。

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岐阜県関市にて(4月17日)。直径5-7mm程度の小さな花だけど多数咲きます。

ハコベナデシコハコベ属の越年草(えつねんそう:秋に発芽して冬越し、翌春に開花・結実して枯死する)で、日本全国の耕作地周辺、路傍、林縁等に生育します。帰化植物とされることもあります。畑にはえハコベの多くはコハコベだと思います。ミドリハコベは超珍しいというわけではありませんが、しょっちゅう見ることはないです(地域によっては多いところもあります)。

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岐阜県関市にて(4月17日)。草を抜いてもたくさん種子こぼれてるだろうな~。

春の七草摘みの時はそれほど目立たないハコベでしたが、この時期になると、存在感があります。少し前までは、ホウレンソウを育てているのか、ハコベを育てているのかわからないくらい生えていました(食べてもよかったのですが、だいぶ抜きました)。存在感が増したコハコベを見ていると、春先と少し異なる点があります。春の七草摘みの際のハコベの特徴として、「長い柄を持つ葉をつける」と書きましたが、この時期は柄の無い葉が目立ちます。どうも、茎が伸びて花をつける付近の葉になると柄がなくなるようです。春先の葉の形だけを見ていると、ちょっととまどうかもしれませんね。

この時期のコハコベの特徴は次の3点です。
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①葉:下の方では柄のある葉を、上の方では無柄の葉を対生(たいせい:葉が対になって着く)します。葉は葉身(ようしん:柄を除いた葉の部分)1-2cm全縁(ぜんえん:葉の縁にギザギザがない)です。 
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②花:花びらは白色で5枚ですが、1枚の花びらが深く切れ込むので、10枚あるように見えます。めしべの先は3つにわかれます。
③種子:種子は低い突起があります。少し見づらいですが、この写真の形を覚えておくとよいと思います。


ハコベの仲間は種類が多いので結構やっかいです。その中でもよくみかけるものとの違いを述べます。
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柱頭の先が5つにわかれるウシハコベ。東京都稲城市にて(7月13日)。

ウシハコベはコハコベよりも全体的に大きくなり、めしべの先が5つにわかれます。ミドリハコベはコハコベと殆ど同じで、種子を見ないと違いがわかりません。種子に目立つ三角形の突起がついていればミドリハコベです。