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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

畑の雑草-94.エノコログサ-

エノコログサは皆さんも馴染みのある植物ですね。エノコログサという名前を知らなくても、ネコジャラシと言えば、多くの人が「あー、あれね。」とわかると思います。

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東京都府中市にて(7月2日)

エノコログサはイネ科エノコログサ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)で、日本全国に分布します。生育環境も幅広く、耕作地、路傍、河原の草地、造成地、街中の街路樹周辺・・・、植物があまり茂っていない草地ならごく普通に見られると思います。

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ごく普通の植物ですが、よく見ると色彩に変異があります。花序の毛が緑色の普通のエノコログサ。神奈川県川崎市にて(7月1日)。

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こちらは花序の毛が紫色のエノコログサ。これをムラサキエノコロと細分することもあります。岐阜県関市にて(6月20日)。

あと、花序の毛だけでなく葉も紫色になるものがあり、カタバエノコロと細分することもあります。ちなみに、花序の毛の色が金色のものもありますが、それはキンエノコロと言って全く別な種類です。

エノコログサは花がつけばすぐにわかりますね。特徴は次の3点です。
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①葉:基本的には無毛です。
②花序:花序(かじょ:小穂や花の集合)ネコジャラシ状で、たくさんの花(実)を密集してつけます。花序の毛は緑色~紫色。花序はおじぎをしません。
③花:花及び種子は類似種の中では小さく、細長い部類です。花(実)の先を観察すると、光沢のある種子のようなもの(実際は護えいという花の器官が見えている)が殆ど見えません。これが類似種のアキノエノコログサとの識別点になり、アキノエノコログサは光沢のある種子のようなものが見えます。


エノコログサの仲間では、よく見るものとしてアキノエノコログサ、キンエノコロ、コツブキンエノコロなどがあります。この中ではアキノエノコログサは特にエノコログサに似ています。

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アキノエノコログサは花序が大きく、花序の先がおじぎをしているので、慣れれば遠目でも違いがわかります。東京都日野市にて(7月8日)。