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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

畑の雑草-93.イヌビユ-

先に紹介したホナガイヌビユとそっくりなイヌビユです。パッと見た感じだと、イヌビユはあまり立ち上がらず、ホナガイヌビユよりも背が低い印象を受けます。

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新潟県三条市にて(9月7日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

ただ、ホナガイヌビユも小型の個体があるので、サイズだけで決めるのは難しいですね。あくまでも私の第一印象です。

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これらは畑で撮影しました。長い柄のある葉を互生(ごせい:葉が交互に着く)し、目立たない緑色の花をたくさんつけていることからヒユ属の植物とすぐに見当がつきます。

イヌビユヒユ科ヒユ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)で、日本全国に分布し、畑地や路傍に生育します。イヌビユは世界の熱帯から温帯に分布し、原産地があまりよくわかっていません。ホナガイヌビユと生育場所が同じなので、外来種のようにも見えるのですが、多くの図鑑では史前帰化植物(しぜんきかしょくぶつ:有史以前に渡来した植物)としていて、外来種としては扱っていないようです。

イヌビユの特徴は次の3点です。
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①葉:葉の先はへこむことが多いです。ただ、あまりへこまない場合もあるので、葉だけで類似種のホナガイヌビユと区別するのは避けたほうがよいです。
②小苞:小苞(しょうほう:花の下に着く花弁のような葉片)は短く、殆ど目立たない。写真が悪いですが、この特徴はホナガイヌビユと同じです。

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③果実:果実はさわって割れることはなく、表面にしわが少ない。このしわの量を図鑑で識別点にあげる場合がありますが、ホナガイヌビユと並べれば違いがわかるのですが、どちらか単体だけ見ると、違いがわかりづらいです。むしろ、果実を複数手のひらに集めて指でこすると、写真のように簡単に種子が出てくるので、この違いで見分けた方がいいような気がします。種子の取り出しやすさの違いは、果皮(かひ:種子をつつむ皮)の厚さと、果皮と種子の間の空間が関係しているような気がします(イヌビユ:果皮が薄く種子が果皮にゆるくつつまれる、ホナガイヌビユ:果皮が厚く種子が果皮にきつくつつまれる)。


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あと、イヌビユはこの写真のように葉腋に短い花序をよくつけます。ホナガイヌビユはこのような短い花序はあまりつけないので、これも見分けるヒントになるかもしれません。