畑の雑草-92.ホナガイヌビユ-
今年もあと1ヶ月ですね。筆が遅いため、今年撮影して紹介しきれなかった植物をこの冬にまとめたいと思います。まずは、畑の雑草シリーズで、ホナガイヌビユです。別名アオビユとも言います。
ホナガイヌビユは南米原産の外来種で、ヒユ科ヒユ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)です。日本全国に分布し、畑地や路傍に生育します。ホナガイヌビユの仲間のヒユ属は、多くが外来種で、いずれもそっくりです。花序(かじょ:小穂や花の集合)がないと、同定は難しく、花序があっても花が小さく目立たないので、なんとなく敬遠したくなる植物です。
ヒユ科ヒユ属の植物の共通の特徴は、次の3点です。
①生育場所:畑地、路傍、造成地のような環境に生育。
②葉:長い柄のある卵形の葉を互生します。
③花序:緑色から紫色の目立たない小さな花が集まった花序を持ちます。
こんな感じの草があれば、ヒユ属の植物です。
ホナガイヌビユの特徴は次の3点です。
①葉:葉の先はあまりへこみません。この部分は、類似種のイヌビユとの識別点としていろんな書籍にも出ています。ただ、個体によっては先がもう少しへこむものもあるので、葉だけでの同定は注意したほうがよいです。
②小苞:小苞(しょうほう:花の下に着く花弁のような葉片)は短く、殆ど目立ちません。
③果実:果実はさわって割れることはなく、表面にしわが多いです。果実を複数手のひらに集めて指でこすって種子を出そうとしても、なかなか種子が出てきません。