身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

いきなり現れたオオバナイトタヌキモ


先日、少し用事があって、岐阜県博物館に出かけました。11月下旬というのに暖かいですね。気候がよかったので、車は一番下の駐車場に止め、歩いて博物館に行くことにしました。よく通る道なので、これといった気になる植物はありません・・・。

イメージ 1
!?、博物館に行く途中の池の中に、何か小さな黄色の花が多数咲いています。

イメージ 2
近づくと食虫植物のタヌキモの仲間です。えーっ?こんなの今まであったかな?そういえば、今年の春にタヌキモの仲間の残骸を見たような見なかったような・・・。少なくとも去年に花は咲いていなかったような気がします。

イメージ 3
少しサンプルを取って自宅で調べてみました。どうやらイトタヌキモのようです。マット状に絡み合った極細の茎と、ごく小さな捕虫嚢、間違いなさそうです。

イメージ 4
しかし、1箇所だけ図鑑の記載とあわないところがありました。花の大きさです。日本の水草(角野康郎.2014によると、花の幅が3-4mmとなっていましたが、今回採集した個体の多くは5-8mm程度の幅があり、最大のものだと10mmありました。

日本の水草にはイトタヌキモに似た外来種としてオオバナイトタヌキモというのが掲載してありました。図鑑によると、イトタヌキモとの違いは花の大きさだけで花無しでは両種を識別できないとありました。このオオバナイトタヌキモは花の幅が12-18mmとなっており、今回採集した個体は、イトタヌキモとオオバナイトタヌキモの中間的なサイズでした。
う~ん、これはどっちなのだ?→オオバナイトタヌキモと判明!!(2017年1月)

イメージ 5
黄緑色の藻類のように見えるものが全てオオバナイトタヌキモ!マット状になっています。

オオバナイトタヌキモは繁殖力が旺盛と書いてあり、突然出現して池一面を覆うほどになった繁殖力を考えると、オオバナなのかな~とも思います。ただ、以前仕事でイヌタヌキモ1-2年で爆発的に増えたのを見たことがあり、条件がよければ自生品でも増えるのかも・・・と思ったりもします。そもそも、どうやって、やってきたのかも謎です。

後日談
どうしても、これがオオバナイトタヌキモだったのか確認したくて、「外来水生植物オオバナイトタヌキモの日本における野生化の現状」の著者の一人の角野康郎先生に、メールで問合せをしました。その結果、論文に記載のあるように、オオバナイトタヌキモでよいとのことでした。お忙しいところ回答していただき、本当にありがとうございました。
ちなみに、このオオバナイトタヌキモの由来ですが、多分、どなたかが入れたのではないかというのが私の推測です。この公園の池では、今まで無かったところにデンジソウが大量に生育していました・・・。こんな公園にあるはずがないので、誰かが持ち込んだに決まっています。水草の種子や植物体は、水鳥に付着したり、増水で流されたりして、植えた場所とは違う場所で容易に増えてしまうことがあり、公園の歌壇に植物を植えるのとは訳が違います。このような行為は謹んでもらいたいものです。