平地の夏の花-75.オオニシキソウ-
雑草つながりでオオニシキソウを紹介します。
名前の由来は、在来種のニシキソウまたは、よく目にする外来種のコニシキソウに対してより大きいからオオニシキソウなのでしょう。在来種のニシキソウは珍しく、私も1度しかお目にかかっていません。コニシキソウは路傍や畑地に普通にありますね。
“ニシキソウ”と名前がつくだけに、秋になると赤く紅葉します。
オオニシキソウはトウダイグサ科トウダイグサ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)で、本州・四国・九州・琉球に分布します。北米・中米原産の雑草で、路傍や畑地に生育します。
トウダイグサ属の花は変わった形をしていて、1個の小さな花と思いきや、実は複数の花の集合(1個の雌花と複数の雄花)のようです。昔から、萼のような部分よりも上に実ができるので、変な花だな~とは思っていましたが、複数の花から成り立っていると聞くと、なんとなく理解できるような感じがしました。とはいえ、このコメントを書くまで私も知りませんでした(勉強になりました)。
オオニキソウの特徴は次の3点です。
①生え方:基部は直立から斜上し、カーブを描くような形となり、高さ20-40cm程度になります。大きな個体だと株になり、基部から多数の茎をたてたり、基部付近から分枝したりします。茎は切ると乳液が出ます。
②葉:葉は対生(たいせい:葉が対になって着く)、先は丸味を帯び、鋸歯(きょし:葉のぎざぎざ)があります。長い毛がまばらにあり、葉の中央にうっすらと黒い斑紋が出ます。
③果実:果実は無毛です。
オオニシキソウが属するニシキソウ亜属はコニシキソウのように地表を這うタイプが多く、オオニシキソウのように立ち上がるタイプの種は少なく覚えやすいと思います。似たように立ち上がるタイプの種でシマニシキソウがありますが、こちらは全体に硬い毛が多く、葉先もとがるので見間違えることはないと思います。